研究課題
本年度は,歯胚発生に関与している可能性のある28転写因子に加え,前後軸の形成,体節構造の決定因子として広く知られているHox遺伝子に注目し,それぞれの遺伝子のsiRNAを胎仔もしくは胎仔より摘出した歯胚に直接遺伝子導入を試みたが,効率よく遺伝子発現をノックダウンすることができなかった.今後,マイクロインジェクション法を用い,試みる予定である.また,昨年度から大型動物であるビーグルイヌにおいても,器官原基法にて歯を発生させることが可能か検討してきた.つまり,生後30日の仔犬の永久歯歯胚の上皮組織と間葉細胞を用い歯胚を再構成し,その歯胚を自家移植した.その結果,歯胚は移植約120日で口腔外へ放出するまで成長した.放出した再生歯の生理的機能を評価するため,実験的矯正力を加えたところ,天然歯同様,矯正学的な歯の移動が生じた.また,組織学的検討の結果,再生されたセメント質と歯槽骨との間には歯根膜・シャーピー線維様の構造が確認され,天然歯と同様の臓器としての歯周組織再生が証明された.以上より,マウスだけでなく大型動物であるイヌにおいても,さらには胎生期歯原性細胞ではなく出生後の永久歯歯胚組織を組織・細胞ソースとしても,器官原基法を応用することで歯や歯周組織の再生が可能であることがわかった.
25年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2013
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)
PLoS One
巻: 8(12) ページ: e83545
10.1371/journal.pone.0083545
Cells Tissues Organs
巻: 198(5) ページ: 367-76
10.1159/000356947
巻: 8(3) ページ: e58796
10.1371/journal.pone.0058796
Nature communications
巻: 4 ページ: 2497
10.1038/ncomms3497
巻: 4 ページ: 2498
10.1038/ncomms3498