研究課題/領域番号 |
22249067
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
川口 孝泰 筑波大学, 医学医療系, 教授 (40214613)
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研究分担者 |
東 ますみ 兵庫県立大学, 大学院・応用情報学専攻, 准教授 (50310743)
浅野 美礼 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (00273417)
佐藤 政枝 首都大学東京, 保険医療福祉学部, 准教授 (30363914)
島野 仁 筑波大学, 医学医療系, 教授 (20251241)
星野 准一 筑波大学, システム情報系, 准教授 (40313556)
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キーワード | 遠隔看護 / 地域医療 / 看護情報学 / 遠隔看護外来 / e-learning / バイタルセンサー |
研究概要 |
本研究は、近年、進化した情報通信技術によってもたらされた社会システムの変革に対応した新たな看護技術(遠隔看護システム)の臨床応用を目的とした。本研究の目標は、情報化が進む生活の中で日常化するデジタル化・ユビキタス化を見据えた、新しいコミュニケーション形態を活用した看護技術を構築することである。本研究期間の3カ年で、実用化を目指した「遠隔看護」のスタンダードモデルの構築を目指して進めている。 平成23年度は、初年度に構築した遠隔看護システムの実際の運用を行った。実施に当たっては、関係スタッフ(病棟看護師、外来看護師、担当医師)との事前の調整を十分に行い、糖尿病で通院する2名の患者に対して、6か月間にわたって試験的に遠隔看護支援を実施した。試験的運用に関しては、病院の情報管理システムのサテライトとして遠隔看護システムを設置し、セキュリティー対策を十分に勘案して実施した。その結果、2名ともに、糖尿病に対するコントロールは、遠隔看護導入前に比して、極めて良好な結果となった。 最終年度に向けた課題として、評価ツールの開発研究が必要となる。附属病院や地域のサテライトセンターの実態を十分に反映した信頼性のある評価ツールの開発を行っていく計画である。本システムは、メインの情報処理センター(筑波大学地域医療健康科学イノベーションセンター(23年度開設))と、地域でのサテライト拠点となるサブセンターの協力の下に実用化を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、筑波大学附属病院看護部、および代謝内科の医師や看護師の協力を得て、糖尿病患者2名に対して、遠隔看護援助システムの活用を行い、一定の成果が得られた。本研究の目的である、生活の中で日常化するデジタル化・ユビキタス化を見据えた、新しいコミュニケーション形態を活用した看護技術の構築に関しては、概ねミッションは果たせた。最終年度に向けて、さらに実用化を目指したスタンダードモデルの構築を目指す。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、インフラの整備が急速に進んでいる現在のデバイス開発の潮流の中で機能できる実用化モデルに対する未来提案を行っていく。さらに、行っている遠隔看護支援に対する評価手法についても評価ツールの開発研究を進めていく。そのための研究は、博士後期課程の学生が実施し始めている段階にある。筑波大学附属病院や、それらと関連する施設での展開、ひいては被災地や離島の支援などにも射程をおいて開発を含め、最終年度に向けた遠隔看護システムのプロトタイプの提案を行っていく予定である。
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