研究課題/領域番号 |
22251002
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
野中 健一 立教大学, 文学部, 教授 (20241284)
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研究分担者 |
池口 明子 横浜国立大学, 教育人間学部, 准教授 (20387905)
村山 伸子 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 教授 (80219948)
宮川 修一 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (60115425)
竹中 千里 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (40240808)
小野 映介 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (90432228)
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キーワード | 微量元素 / 自然資源 / 物質循環 / 生業 / 健康 / ラオス / パプアニューギニア / インド |
研究概要 |
本研究は、自然環境に存在する微量元素摂取の観点から、野生生物資源の食用が、どの程度、人びとの健康および環境適応に寄与しているかを明らかにすることを目的とする。そして、微量元素摂取をつうじた地域の自然一人間生態系の物質循環系モデルを構築し、野生生物資源の食用が大きな役割を果たすのではないかという仮説を検証し、その地域循環モデルを構築することをめざしている。具体的には1)住民の食べている食物の種類と量を明らかにし、食事全体での位置づけ、流通における経済価値を明らかにする、2)摂取量の栄養・健康的貢献および物質循環を明らかにする、3)資源の生態と環境条件(土壌・植生)を住民の土地利用とを絡めて明らかにし、微量元素の循環モデルを作成する、4)物質循環と人間生活の持続性のメカニズムを検討する、の4点から研究を進めている。 2011年度はパプアニューギニア・東セピック州クラインビット村で現地調査を実施した。村の生業活動・土地利用調査と、20~50歳の女性を対象とした健康診断・食生活・栄養調査を実施した。その後、微量元素摂取と食生活との関係を実証的に明らかにするため同村の同じ対象者から毛髪を採取し、その微量元素分析を行った。 また、前年度で実施したラオス調査の社会生業データ収集を継続した。次年度以降の現地調査に備えて、インド・ナガランド地域において、パイロット・サーヴェイを実施した。調査可能性と調査村の選択を行い、調査地の現況を明らかにし、現地の村々および関係諸機関との協力体制を構築した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していたラオス、パプアニューギニアでの現地調査を進めることができ、貴重かつ有益なデータを得ることができた。サンプルの微量栄養素分析、摂取微量元素の分析も予定通り進行している。
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今後の研究の推進方策 |
さらに現地調査事例を増やすとともに、循環モデルの構築へむけて、摂取栄養素の身体への貢献と生業活動との関連、環境適応についての相互関連を分析考察していく。そのための共同研究会を積極的に開催していきたい。また、総合的な考察の過程において、これまでの知見を学会発表などを通じて議論の場に提示し、より広く分析視野を広ずていきたい。
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