研究課題/領域番号 |
22251005
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 共立女子大学 |
研究代表者 |
木戸 雅子 共立女子大学, 国際学部, 教授 (10204934)
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研究分担者 |
鐸木 道剛 岡山大学, 大学院・社会文化科学研究科, 准教授 (30135925)
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キーワード | ポスト・ビザンティン / 国際研究者交流 / 国際情報交換 / 壁画修復 / キリスト教図像学 / ギリシャ / ビザンティン美術史 |
研究概要 |
サラミナ島ファネロメニ修道院聖堂の壁画の洗浄と修復を行った。本年度の計画どおり身廊の西壁(最後の審判図他)と南側廊の西側半分(聖人、小クーポラ部分の創世記)身廊の西側ヴォールト部分(キリスト伝)の洗浄と修復を終了した。本年度の修復部分は色彩層が浮き上がっている部分が多く、その部分の壁面への定着作業を必要とし、技術的に困難な面が多かったが、アテネ技術大学の修復グループの熱心な作業により非常によい成果があがった。その修復作業の過程で、18世紀の壁画技術の研究と色彩研究のために研究協力者として東京藝術大学修復保存科の木島隆康教授に本研究に参加してもらい、アテネ技術大学のマリア・ハジダキ講師と本格的な共同研究を開始することができた。その共同研究の成果により、アテネ技術大学の学長以下修復科のスタッフと今後の共同研究についての具体的な協力関係構築のための研究グループを作ることができた。これは今後EUの文化活動の一環を為すプロジェクトとして発展させることになった。これにより、本研究は、当初の予想を上回る本格的な壁画の技術的研究も充実させることができるようになった。その成果は大きい。9月18日にギリシャの研究協力者であるアナスタシア・ラザリドゥ・ビザンティン美術館副館長とマリア・ヴァシラキ・テサリア大学教授を招聘し、研究代表者・木戸雅子と研究分担者・鐸木道剛による公開シンポジウムを共立女子大学で行い本研究の成果の報告と議論を行った。参加者も多く日本における初めての本格的なポスト・ビザンティン美術研究の意義を明らかにし、研究成果を広報するとともに日本における理解を深めるための有意義なシンポジウムとなった。
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