研究課題/領域番号 |
22251005
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 共立女子大学 |
研究代表者 |
木戸 雅子 共立女子大学, 国際学部, 教授 (10204934)
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研究分担者 |
木島 隆康 東京芸術大学, 美術研究科, 教授 (10345340)
鐸木 道剛 岡山大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (30135925)
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研究期間 (年度) |
2010-05-31 – 2013-03-31
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キーワード | 国際情報交換 / ギリシャ / ポスト・ビザンティン美術 / キリスト教図像学 / 壁画技法・修復 / ギリシャ正教 / 宗教芸術 / 18世紀美術 |
研究概要 |
本研究は2007~2009年度基盤研究(B)の海外調査研究の課題で取り組んだギリシャのサラミナ島のパナイア・ファネロメニ修道院聖堂壁画(1735年)の修復を継続して行い、煤で黒変している壁面を洗浄と修復をして夥しい数(約3500)の図像の全貌を明らかにし、欧米や日本でほとんど関心がもたれていないポスト・ビザンティン聖堂の装飾プログラム及び図像を体系的に研究しようとするものである。すでに北側側廊と祭室の北側部分、身廊西側穹窿天井と西壁面、中央天蓋とその下部及び南側廊の西側部分が終了している。本年度の研究では、身廊の東側一部と南側廊の東側半分の壁画洗浄と修復復を終了させた。これによりビザンティン美術史でほぼ唯一の言葉による絵画指南書(ディオニシオス・エク・フルナによる『エルミニア』)の図像篇の記述と実例との比較検証を行う歴史的資料が祭室を除きそろった。実際の壁画修復事業は今年度5月から開始し、現場調査を5月末から6月に本研究代表者の木戸が現地に赴いて調査をした。政府が変わったことで考古局の責任者も交代したため、修復許可について再度書類の点検などが入り、実際の修復作業や調査にも影響を及ぼした。しかしヤニス・スパノスを責任者とするとアテネ技術大学講師とその修了生たちを中心に常時5人の修復家が現地に滞在して行い、極めて正確で丁寧な作業を行った。後期の修復は9月から再開し、11月に研究分担者木島隆康が現地でポスト・ビザンティン壁画技法、顔料、色彩研究を行ない、研究代表者と分担者鐸木道剛が、現地の足場で壁画を実見し細部まで検証した。現地での調査・研究に引き続き、画家マルクに関係するモニュメントの調査と、関連するテーベ派の壁画調査をアッティカ周辺で行い、新たな資料を収集することができた。ギリシャの政治経済的問題の影響から聖堂の心臓部ともいえる祭室の修復を終了することはできなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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