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2010 年度 実績報告書

中国における都市の生成―良渚遺跡群の学際的総合研究―

研究課題

研究課題/領域番号 22251010
研究種目

基盤研究(A)

応募区分海外学術
研究機関金沢大学

研究代表者

中村 慎一  金沢大学, 歴史言語文化学系, 教授 (80237403)

研究分担者 鈴木 三男  東北大学, 学術資源研究公開センター, 教授 (80111483)
中村 俊夫  名古屋大学, 年代測定総合研究センター, 教授 (10135387)
金原 正明  奈良教育大学, 教育学部, 教授 (10335466)
宇田津 徹朗  宮崎大学, 農学部, 准教授 (00253807)
渡部 展也  中部大学, 人文学部, 准教授 (10365497)
キーワード考古学 / 先史学 / 学際研究 / 良渚文化 / 良渚遺跡群 / 国際研究者交流 / 中国
研究概要

海外調査としては、4度にわたり延べ13名が訪中し、計5週間を実地調査に費やした。調査の主体を占めるのは良渚遺跡群であるが、併せて関連遺跡の踏査等をも実施した。具体的には、各種出土遺物の観察・実測・写真撮影、土壌試料の花粉・珪藻・プラントオパール分析、土器付着炭化物等の放射性炭素年代測定、木器・木製品の樹種同定などからなる。また、日本国内においては衛星画像解析を行った。これら一連の調査・分析から得られた主な成果は以下の通りである。
良渚囲壁集落を囲む環濠、囲壁内部の莫角山土台断ち割りトレンチ、囲壁外部東側の「美人地」地点の運河状遺構の3地点の出土遺物の調査を実施したところ、それらがいずれも良渚文化後期の遺物からなることが明らかとなった。従来、良渚文化後期には良渚遺跡群が衰退し、政治的中心が上海や江蘇へ移動するという見方があった。しかし、良渚囲壁自体が後期に建造されたものであり、かつ、この時期に人口がもっとも稠密であった可能性が高まったことで、従来の説に変更を迫ることになった。
これら諸地点で採取した試料(土器付着炭化物、短年生植物種子)の放射性年代測定の結果、良渚文化後期の年代が4500-4600cal.BPに置かれることがほぼ確実になってきた。これまた、大方の予想に反して古いものであり、他地域の諸文化との相対年代観を改める必要が生じてきた。
古環境の復元ならびに生業基盤の解明については、関連自然遺物の分析を継続中であるが、(1)木器の使用樹種選択が河姆渡文化(良渚文化より1000-2000年古い)とは異なること、(2)稲籾の形態学的分析から見てほぼすべてが栽培種と考えられること、(3)良渚文化終焉の原因と結び付けて理解されてきた「洪水層」が、実際には良渚文化よりも数百年遅れるものであること、などが明らかになりつつある。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] The Origin of Rice Cultivation in the Lower Yangtze Region, China.2010

    • 著者名/発表者名
      Nakamura, Shin-ichi
    • 雑誌名

      The Journal of Archaeological and Anthropological Sciences

      巻: 2-2 ページ: 107-113

    • 査読あり
  • [図書] 景観の大変容-新石器化と現代化(分担:「湿地、水田、そして都市へ-長江下流域新石器時代の景観変遷」)2011

    • 著者名/発表者名
      中村慎一
    • 総ページ数
      71-88
    • 出版者
      昭和堂

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公開日: 2012-07-19  

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