研究分担者 |
庄司 功 筑波大学, システム情報工学研究科, 教授 (20282329)
尾張 敏章 東京大学, 農学生命科学研究科, 講師 (00292003)
加茂 憲一 札幌医科大学, 医療人育成センター, 准教授 (10404740)
二宮 嘉行 九州大学, 数理学研究院, 准教授 (50343330)
木島 真志 琉球大学, 農学部, 准教授 (10466542)
|
研究概要 |
森林資源は我々の生活基盤となる様々な機能・サービスを提供しているため,この森林資源の多面的な機能を持続的に利用していくことは,持続的な社会を形成する上での課題である.本研究では,社会経済構造及び資源利用環境の異なるトルコ,韓国,日本において,その多面的な機能を特定し,それらを"多次元的な財"と捉え,その動態を定量的に把握する.そして,国際開発・生態系保全政策の動向に伴う森林資源利用変化の"財"への影響を地域的な利用及び国際的な貿易の枠組みを用いて,"多次元的な財"の需給動態の関係を描写できるモデル,及びそれらのモデルを統合する部分空間均衡モデルを構築し,開発と生態系保全を両立できる生態系保全政策の探求,分析及び提言を行う. 平成22年度の研究成果は以下の通りである.1)トルコ・韓国・日本の各国において,データ収集とその利用可能性および地域の生態系サービスについて明らかにした.2)分析の基盤となる森林成長モデルについては,ベイズ統計を用いて不十分な観測データしか得られない場合においても予測可能な成長モデル推定法を確率した.3)生態系シミュレーションについては,セルオートマンモデルを用いて侵略的外来種の空間的分散パターンをシミュレーションできるモデルを構築した.4)政策シミュレーションモデルのプロトタイプとして,マルチエージェントモデルを構築し,土地利用における保全政策のシミュレーションを行った.また,REDD等温暖化対策の政策に関するシミュレーションを行うとともに電力政策についても日本及び欧州について文献・資料を中心にまとめ,比較分析を行った.
|