研究課題/領域番号 |
22252005
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大坪 滋 名古屋大学, 国際開発研究科, 教授 (40247622)
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研究分担者 |
木村 宏恒 名古屋大学, 国際開発研究科, 名誉教授 (20112386)
長田 博 帝京大学, 経済学部, 教授 (40233506)
藤川 清史 名古屋大学, 国際開発研究科, 教授 (60190013)
川島 富士雄 名古屋大学, 国際開発研究科, 教授 (80234061)
伊東 早苗 名古屋大学, 国際開発研究科, 教授 (80334994)
浅川 晃広 名古屋大学, 国際開発研究科, 講師 (80402410)
板倉 健 名古屋市立大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (90405217)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | グローバリゼーション / 開発途上国 / 貧困 / 格差 / 不平等 / 国際開発 / 比較制度分析 / 開発と幸福 |
研究概要 |
本研究は4年間の国際共同研究であり、初年度は主に研究チーム連携構築、研究アジェンダの共通理解醸成、5種類の実証研究に関するリサーチフレームワークの構築・共有を行った。2年目は、海外6カ国(ベトナム、ブータン、中国、タイ、インドネシア、ガーナ)15研究協力機関訪問との研究打ち合わせに基づき、1)研究本部グループによる、貧困の三角形の新推計に関するデータベース収集、整備。多数国間の経済成長/不平等/;貧困削減の関係提示。2)海外6カ国研究拠点グループによる、各国の経済成長/不平等/貧困削減およびグローバリゼーションの進捗状況のまとめ。3)国内研究者によるグローバル化が貧困削減の三角形に影響をおよぼすコントロールファクターの洗い出しとリサーチデザインの提示。4)上記1)―3)の結果を持ち寄っての第1回国際研究ワークショップの名古屋大学での開催。5)第22回国際開発学会全国大会でのPlenary Sessionを提供。6)研究プロジェクトから出版する書籍の構成デザインについての編集会議を開催。7)当研究プロジェクトのプロジェクトHP立ち上げた。 3年目の本年度は、1)に付いて、過去研究のまとめと、新たに構築した短期/中期/長期growth spells dataに基づくstock-taking 論文を発表。これを参加研究者間で共有。これに基づき2)海外研究機関での計量分析を含むカントリーペーパーの初稿執筆開始。3)国内研究者がそれぞれの研究アジェンダの進展に務めた。また、4)代表者が、成果出版の一部とする予定の開発目的の多様化、貧困の概念の多様化と指標化と実証分析への応用に関する学術論文をJICA研究所から出版。各国のケーススタディのプロトタイプを作り上げた。これらに基づき、Routledgeからの成果出版の準備が整い、最終年度に向けて展開分析/執筆活動がスタートした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究プロジェクトでは、プロジェクト本部での諸国横断的なグローバリゼーション下の貧困の三角形に影響を与えるコントロールファクターの平均的影響/関係(平均)の提示と、海外研究協力者(6カ国15研究機関)の協力による各国の特殊要因による多様性(ばらつき)を組み合わせて結果を得る複雑な国際共同研究を行っている。個別で行われる研究と、本部での基盤研究、とそこから提示される研究結果への研究分担者/協力者の呼応を繰り返しながら進めている。本年度は、本部からの基本的な分析結果の提示が行われ、それらは出版された。また、これに合わせて各研究機関、研究分担者の追加研究および英文成果出版への執筆内容の特定化を行う予定であったが、このプロセスには多少の遅れが出た。しかしながら、年度末には出版社と出版の仮契約がなされ、最終年度へ向けて成果執筆出版活動の準備を行う事が出来るに至っている。 研究代表者が国際協力事業団研究所(JICA研究所)から出版した論文、Measurements and Determinants of Multifaceted Poverty: Absolute, Relative, and Subjective Poverty in Indonesia (JICA-RI WP54 国際レフリーに寄る査読付き)は、研究所史上最大のヒット数、ダウンロード数を記録しており、内外から同様に参照されるに至っており、Post-MDGsの開発パラダイム構築に向けて一石を投じることに成功している。
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今後の研究の推進方策 |
本国際共同研究プロジェクト最終年度の本年度は、英文での成果書籍出帆を行う。既にRoutledgeと出版の仮契約が行われており、今後、1)出版内容の詰め、とそれにともなう2)執筆分担の明確化を行い、3)追加研究分析の遂行と論文執筆、書籍章の準備を順次行う。また、H24年度に多くの国際学会での研究プロジェクトの根幹部分の成果や新しい開発研究に関する発表を多数行って来ており、このような啓蒙活動は随時行われる。また、国際連合のPost-MDGs開発パラダイムの草案造りを行う幾つかの公的なグループとも連携をしており、これら開発の実務社会への研究成果の還元も随時行う。書籍の最終稿が出そろった時点で、公開で成果発信の国際会議やワークショップを開催したいとも考えている。最後に、「開発と幸福」や「開発目的の多様化」について合わせて展開している挑戦的萌芽研究からの研究成果を受けて、次期国際共同研究プロジェクトを本科研Aと萌芽研究で展開して来た開発の未来的研究を統合させて拡大展開する準備を行いたいと考えている。
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