研究課題
今年度はモザンビークでの現地調査を行うと共に、昨年度までに採取した各種環境試料中の汚染物質および微生物学的指標の分析を行った。また、陸上から水域への汚染物質の動態へ降雨パターンのの影響を調べるための圃場実験を本学で行い、それを現地ガーナで調査して実証した。モザンビークの下水中では抗生物質、特にサルファメトキサゾールおよび第1世代のキノロン系抗生物質のナリジクス酸が高濃度で検出された。サルファメトキサゾールは地下水からも検出された。感染症の罹患率が高い、低所得のため安価な抗生物質が大量に使用されること、下水処理施設等のインフラが整備されていないことが、原因であると考えられた。今年度導入したオンライン濃縮システムを使ってアジア・アフリカの地下水中の合成甘味料の分析を行い、下水の混入が広く起こっていることが明らかになった。微生物指標については、南アフリカの試料について分析・解析を行った。郊外河川にくらべ,市内運河と下水処理排水でサルファ剤耐性遺伝子sul1およびsul2が有為に高いコピー数であった。sul3は下水処理水でのみ検出された。一方,培養可能菌ではsul3は殆ど検出されないことから,sul3は非培養菌が保有すると考えられる。sul3での傾向はテトラサイクリン耐性遺伝子tet(M)でも同様であった.アフリカの環境では初めての知見である。ガーナのPCBs汚染へのe-wasteの寄与を堆積物の分析により確認した。ガーナの金鉱山周辺の表層土壌、側溝底質およびガーナ都市部における廃棄物処理場周辺の土壌における微量元素分析を行った。熱帯アジア8ヵ国の廃棄物処分場からの浸出水および都市水域の堆積物中のPBDEsの分析を行い、廃棄物処分場がPBDEsの大きな負荷源であることが示された。これらよりアジアアフリカにおける廃棄物関係の化学汚染が深刻であることが浮き彫りになった。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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