• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実績報告書

小笠原諸島の植物相の起源と進化を分子植物地理学的に探る

研究課題

研究課題/領域番号 22255003
応募区分海外学術
研究機関首都大学東京

研究代表者

村上 哲明  首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (60192770)

研究分担者 可知 直毅  首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (30124340)
研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2014-03-31
キーワード植物 / 進化 / 分類学 / 国際研究者交流 / フィリピン / 台湾 / パラオ / マレーシア
研究概要

本研究の最終年度である平成25年度は、昨年度までに小笠原、琉球列島、フィリピン、中国、台湾、マレーシア、グアム、ハワイ等で採集してきた植物サンプルの未解析のものについて、葉緑体DNAおよび核DNAの塩基配列を決定・比較することによって、その起源地を推定した。小笠原産固有植物種であるムニンハナガサノキについては、東南アジアおよび太平洋島嶼域,琉球列島に生育する同属とその近縁属合計29種61サンプルを採集し,DNAの塩基配列にもとづく系統解析を行った結果、従来、同種として扱われていた琉球列島産のハナガサノキではんく、東南アジア(フィリピン,台湾)に分布するG. parvifoliaとクレードを形成した。よって、この小笠原産固有植物種は東南アジア起源であることが示唆された。他に東南アジア地域が起源であることが分かった種として,シロテツ類,シマギョクシンカ,チチジマベニシダなどがあった.
一方、小笠原産固有植物ムニンアオガンピについては,従来、ムニンアオガンピは琉球列島に分布するアオガンピと近縁関係にあると考えられてきたが、パラオ産W. elliptica,ならびにハワイの固有種W. uva-ursiとW. oahuensisとクレードを形成した。その結果、小笠原産ムニンアオガンピは太平洋島嶼域に起源したことが強く示唆された。他に太平洋地域が起源地であると推定された小笠原産の植物種には、モンパノキ,コハマジンチョウなどがあった。
ムニンアオガンピについては、小笠原諸島で性表現を調べた。その結果、葯のみが発達する雄株、逆に子房のみが発達し果実をつける雌株に加えて、葯と子房の両方が発達し、果実もつける両性株も少数ながら見いだされた。両生株は、両性花のみをつけていた。さらに、雄株と雌株の性比はほぼ1:1であることも分かった。
これまでの研究成果のうち、ムニンハナガサノキの研究成果については論文にまとめ、Mol. Phyl. Evol.誌において報告した。

現在までの達成度 (区分)
理由

25年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

25年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Development of 11 polymorphic microsatellite markers for Xylocarpus granatum (Meliaceae) using next-generation sequencing technology2013

    • 著者名/発表者名
      Tomizawa, Y., Shinmura, Y., Wee, A. K.S., Takayama, K., et al. (他18名)
    • 雑誌名

      Conservation Genet. Resour

      巻: 5(4) ページ: 1159-1162

    • DOI

      10.1007/s12686-013-9990-9

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Geographical origin and sexual-system evolution of the androdioecious plant Gynochthodes boninensis (Rubiaceae), endemic to the Bonin Islands2013

    • 著者名/発表者名
      Oguri, E., Sugawara, T., Peng, C.-I., Yang, A.T.Y. and N. Murakami
    • 雑誌名

      Mol. Phyl. Evol.

      巻: 68 ページ: 699-708

    • DOI

      10.1016/j.ympev.2013.04.019

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Possible spore dispersal of a bird-nest fern Asplenium setoi by Bonin flying foxes Pteropus pselaphon2013

    • 著者名/発表者名
      Sugita, N., Ootsuki, R., Fujita, T., Murakami, N. and K. Ueda
    • 雑誌名

      Mammal Study

      巻: 38 ページ: 225-229

    • 査読あり
  • [備考] 生命科学コース/植物系統分類学研究室

    • URL

      http://www.biol.se.tmu.ac.jp/labo.asp?ID=plasys

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi