研究概要 |
2013年は、5月上旬から6月中旬まで米国の東海岸沿いの諸州(ノースカロライナ州からニューヨーク州、コネチカット州にかけて)を南から17年ゼミの学術調査・標本サンプルの採集を実施した。相手国の共同研究者Chris Simon教授、John R. Cooley博士らと現地で落ち合い、研究打合せ、その後、彼らの研究室を訪問した。そのほか、周期植物の学術調査を台湾・フィリッピン・沖縄で実施した。これらの調査と同時にこれらの地域のセミ類の調査をした。前年度3月下旬にPNASに掲載された分子系統解析の論文が、4月5日のScience誌のEditors Choiceに、さらに紹介された5月30日のNature誌のNews Infocusで紹介された。雌雄の翅の形態差や、decim, cassini, deculaの3系統の発生順序に関する調査から、同一場所においてはdecimとdeculaが最初に発生、その後に、cassiniが発生することがわかった。次年度以降にさらにデータを収集する予定である。分子系統解析は、ゲノミクスの準備を進めると同時に、集団地理解析を検討した。また、周期性の進化仮説の検証のためのプロトタイプモデルを作成した。これは、成虫発生の温度依存(サイズ依存)から時間依存への進化を検証するモデルである。 そのほか、絶滅回避の展開として、シロアリの血縁選択による性比適応をNature Communicationsに発表、また、多胚寄生蜂の宿主免疫の強化とオスの攻撃性の確認、マリモの球形になる適応理由、早春に発生する訪花昆虫と花の相互適応、植物プランクトンの富栄養化のパラドックスなど9編の論文を発表した。
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