研究課題
タイ国パンガ-県クラブリーにおいて30m×30mのプロットを18箇所で設定し毎木調査を行った。その結果、コンセッションによる伐採後20年以上経過している林分において、地上部バイオマスは平均150Mg/haであり、種構成は水路からの距離に大きく依存していることが明らかになった。次に、マングローブ天然林における地下部炭素蓄積機能を定量評価するために、ミクロネシア連邦共和国ポンペイ島サンゴ礁上Rhizophora林における泥炭試料およびリター分解試料を対象に、13C CPMAS核磁気共鳴法によって有機物の組成分析を行った。葉リターの重量は分解の進行とともに減少し、その分解速度は根リターに比べて高かった。また、有機物成分ごとの分解性は葉と根で異なっていた。これらの結果は、両リターにおける分解前の化学組成の違いと好気/嫌気条件の違いを反映したためである。一方で、マングローブ泥炭の有機物組成は深度に因らず、極めて均一であり、かつ、その14C炭素年代測定により比較的新鮮な有機物が蓄積していることが明らかとなった。これは、表層から1m深の泥炭には毎年膨大な量の新鮮有機物が供給され、それらを材料としてマングローブ泥炭が生成されていることが示唆するものである。最後に、衛星LiDARを用いてマングローブ林のバイオマス推定を行った。ICESat衛星GLASデータから3次元構造を表す波形データを切り出すためのアルゴリズムを作成し、タイ国パンガ-県クラブリーにおいて現地調査を実施した観測点における反射強度の波形データを切り出した。衛星LiDARの各観測点でのノイズを取り除いたエネルギーの反射強度について、地面からの最大樹高までの相対積算値が10%、25%、50%、75%、90%の高さを算出し、これらの変数を用いて地上部バイオマス(AGB)を推定するための重回帰モデルを作成した(決定係数0.76)。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Forest Research
巻: 19 ページ: 34-41
10.1007/s10310-013-0402-5