研究課題/領域番号 |
22255010
|
応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小松 輝久 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (60215390)
|
研究分担者 |
上井 進也 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (00437500)
道田 豊 東京大学, 大気海洋研究所, 教授 (20323628)
鯵坂 哲朗 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (40144349)
石田 健一 東京大学, 大気海洋研究所, 助教 (40232300)
青木 優和 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (70251014)
|
研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
|
キーワード | 流れ藻 / 藻場 / アカモク / 東シナ海 / 変動予測 / 分布推定 |
研究概要 |
2010年から2012年の毎年の2-3月に出現する東シナ海の流れ藻の分布を調べ,インドネシアのバリで2013年4月21日から26日に開催された第21回International Seaweed Symposiumにおいて口頭およびポスターで2件発表するとともに,Journal of Applied Phycologyに投稿し,2本の論文が出版された.また,東シナ海沖合の流れ藻の構成種(ほぼ100%)であるアカモクの北東アジアにおける現在の分布が,地球温暖化によってどのように変化するかについて,IPCCのA2シナリオに基いた2050年および2100年の表面水温予測から,検討した.それらの結果を,2013年6月17日から6月21日まで香港大学で開催された第7回 International Conference on Marine Pollution and Ecotoxicology でポスター発表をした.さらに,7月1日から7日に中国,大連海洋大学を訪問し,張澤宇教授と大連周辺のアカモクの分布調査を行った.海底に固着しているアカモクは発見できなかったが,流れ藻になったアカモク数個体を採集できた.7月におよそ1mの茎部長があることから,秋期に成熟する可能性が認められた.また,流れ藻を構成するホンダワラ類の起源を,生育場所の影響を反映すると考えられる炭素窒素安定同位体比を用いて推定できるかについて検討した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
今年度は国際学会で多数の報告を行ったほか,論文を3報出版することができたこと,東京大学大気海洋研究所共同利用シンポジウムなど国際において7件の報告を行うことができたことは,大きな成果である.さらに,東シナ海における流れ藻の分布が,季節風と海面高度によって影響を及ぼされることを明らかにできたことで,今後の,ブリ稚魚であるモジャコ漁業解禁日を決めるときの流れ藻分布推定をより正確に行うことができるものと考える.
|
今後の研究の推進方策 |
東シナ海において,流れ藻の出現が多いのは3月である.この3月の流れ藻の起源の可能性が高いアカモクは,秋季に中国沿岸に生育しているものと推定される.東シナ海での調査と中国沿岸の調査はアカモクの流出期限を明らかにするために同期的調査が必要である.また,今までの調査で得られた中国沿岸のアカモクと流れ藻の遺伝子の解析を行うことで,東シナ海の流れ藻の産地を特定できると思われ,今後,この面の研究を推進する.
|