研究課題/領域番号 |
22300001
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
徳山 豪 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (40312631)
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研究分担者 |
全 眞嬉 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (80431550)
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キーワード | アルゴリズム理論 / 計算幾何 / 情報システム |
研究概要 |
本研究の目的は、計算幾何学におけるユークリッド幾何情報処理と、離散的なグリッド位相によるデジタル情報処理の融合である。幾何学最適化問題に対する計算手法において、ユークリッド距離空間と離散的なデジタル空間で乖離していた計算幾何学の枠組みを融合し、さらに柔軟な幾何学図形処理を行う新しい取り組みを提案する。 特に代表者が最近開発した整合的デジタル線分の概念を用いてデジタル空間にユークリッド幾何学の類似の公理形を持つ構造を入れ、様々な図形描画、画像処理、最適化の問題をデジタル空間で行う場合の幾何的な整合性、計算量的な観点を考察し、デジタル幾何学概念による計算幾何学の取り扱いの理論構築を目的とすると共に、画像処理やデータマイニングへの応用を与える。 平成23年度は、デジタル線分族を用いたデジタル凸図形の計算やデジタル星型図形を組み立てて出来る図形の高速計算、ゾーン図と呼ばれる均衡図の解析とデジタル計算幾何を用いたアルゴリズム設計、さらにイメージ情報検索における新たな不変量の探究と、アルゴリズム、さらにシステム設計の試作を行った。特に、イメージ切り出しに関しては、今までに開発したアルゴリズムを基盤に統合的なシステムを構築し、実験を行っている。成果は4本の一流学術誌及び一流国際会議プロシーディングス論文に発表し、さらに4件の招待講演、その他多数の学会講演を行った。また、予定通りスイスのETH(スイス工科大学)と協議し、国際会議と国際ワークショップを企画し、特に国際会議は予想を超えて日本の多くの大学の参加する日本-ETH国際シンポジウムとして実施し、今後継続する計画が始まっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
多くの研究発表を行うとともに、共同研究の遂行、国際会議やワークショップの企画等、計画に沿った研究を行っている。また、スイスETHとの共同研究は予想を超えたコンソーシアムに発展しつつある。唯一、ハンガリーからの研究者の滞在(平成23年6月に4週間)は、具体的に計画を進めていたが、東北大震災のためにキャンセルになった。これは致し方ないと考えている。また、プロジェクトの博士学生も学振の研究員に採用されるなど、活発に活動している。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年以降は、理論的研究を継続するとともに、システム実装とその評価を行う。 共同研究も積極的に企画し、平成24年度にはアジアアルゴリズムと計算理論国際会議(AAAC)を仙台で開催し、平成25年には、当該研究分野で最も格式の高いACM計算幾何学国際会議(SOCG)を徳山が主導になって誘致する予定である。開催地は京都を予定、これは平成24年度のSOCG国際会議でいくつかの候補地の競合プレゼンテーション(徳山は本研究費の補助で参加し、プレゼンテーションを行う)を行い、投票の末に決定する。
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