研究課題/領域番号 |
22300012
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研究機関 | 国立情報学研究所 |
研究代表者 |
胡 振江 国立情報学研究所, アーキテクチャ科学研究系, 教授 (50292769)
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研究分担者 |
日高 宗一郎 国立情報学研究所, アーキテクチャ科学研究系, 助教 (70321578)
加藤 弘之 国立情報学研究所, コンテンツ科学研究系, 助教 (10321580)
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キーワード | 双方向変換 / グラフ変換 / モデル駆動ソフトウェア開発 |
研究概要 |
モデル駆動ソフトウェア開発(MDD)は、ソフトウェアの生産性の向上、品質の向上のためのソフトウェア開発手法として注目されている。MDDでは、ソフトウェアの要求解析、設計、実装の各段階の成果物をモデルとして表現され、ソフトウェアの開発ステップはモデル変換によって表現される。通常、要求解析、システム設計、実装は別々のチームで行われ、また、各段階のモデルが共存してそれぞれ修正され発展する。このとき、あるモデルに加えた変更を次の段階のモデルのみならずその前の段階のモデルにどのように伝搬し、システム開発の一貫性を保証するかは重要な未解決問題である。本研究では、双方向モデル変換言語を導入することで、各段階のモデル修正(進化)を正確に他のモデルに伝搬し、システムの一貫性を保証する双方向モデル変換によるソフトウェア開発手法を提案するとともに、ソフトウェアの構成と進化の関係を科学的に解明し、発展的ソフトウェアを開発するための新しい方法論を確立することを目指している。平成23年度は、双方向モデル言語の意味論、双方向モデル変換言語の効率的な実現、そして双方向モデル変換に基づくソフトウエア開発環境の構築を中心に研究を進め、主に次の研究成果が得られた。(1)双方向変換言語UnQL+に対して、型情報を利用した最適化手法を実現し、双方向変換エンジンGRoundTramでその有効性を確認した。(2)模倣に基づくグラフスキーマを利用して、ビュー更新可能性の判定アルゴリズムを提案し、これによって更新不能なビュー更新を静的に排除できるようになった。(3)双方向変換エンジンGRoundTramを用いて、広く利用されている(単方向の)モデル変換言語ATLを双方向化するシステムの開発に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理論と実践の両面で、予定通りに順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は,順序付くグラフを含むより一般的なグラフを対象とする双方向グラフ言語の意味論、双方向モデル変換言語の効率的な実現、そして双方向モデル変換の応用を中心に研究を進める。
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