研究概要 |
平成23年度には,平成22年度において構築されたLSI抽象モデルに基づき,研究項目(IV)低エネルギー統合化LSI 自動合成技術の構築・検証を行った.以下の手順で研究を進めた. (IV-1)電源電圧に着目した低エネルギー統合化LSI 自動合成フローの構築・検証: 平成22年度の研究項目(I)および(II)により構築されたシステムLSI抽象モデルを前提に,低エネルギー化を目指した統合化LSI自動合成フローを構築・検証した.仮想物理合成にて実物理制約を緩和し高位合成の面から見た理想的な物理合成を得,これと実物理合成との「距離」を小さくすることを基本とするものを考える.矩離の概念は,同一の電源電圧を単位とする.そして統合化LSI自動合成プローを計算機上に実装,実大規模の応用プログラムに適用することで評価した. (IV-2)クロック配分に着目した低エネルギー統合化LSI 自動合成フローの構築・検証: 平成22年度の研究項目(I)および(II)により構築されたシステムLSI抽象モデルを前提に,低エネルギー化を目指した統合化LSI自動合成フローを構築・検誕する.(IV-1)と同様に,仮想物理合成にて実物理制約を緩和し高位合戒の面から見た理想的な物理合成を得,これと実物理合成との「距離」を小さくすることを基本とするものを考える.距離の概念は,同一のクロックドライバから供給されるものを単位とする.(IV-1)と合わせ,統合化LSI自動合成フローを計算機上に実装,実大規模の応用プログラムに適用することで評価した. 上記(IV-1)および(IV-2)の技術を導入することにより,従来技術に比較して20%~30%を越える低エネルギー化LSI自動合成を達成したことを確認した.平成24年度には,上記に加えて「信頼性」の観点から統合化LSI自動合成フローを確立する予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度の研究によりシステムLSI抽象モデルの構築ならびに検証,統合化LSI自動合成フローの基本設計が完了し,また平成24年度にはこれらをシステムLSIの抵エネルギー化に適用し,実際に従来技術に比較して30%を越える低エネルギー化を達成した.これらは本研究計画がおおむね順調に進展していることを表している.
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