研究概要 |
本研究の目的は複数の周波数帯のRFIDタグを糸にして布に織り込んだハイブリッドRFIDテキスタイルを開発し,広域空間内において人および移動体の位置検出及びナビゲーションシステムを効率的に実現するための方法論を明らかにすることである.昨今,計算機や入出力機器の高機能,小型化により,計算機を常時作動させながら人の位置を入力情報として認識し,適した情報を提示する文脈依存型のアプリケーションが重要視されている.ハイブリッドRFIDテキスタイルを用いた位置検出手法の実現により,特別な敷設工事が必要なく広域空間においても比較的簡単な設置で位置検出システムが実現できる.また,複数の周波数帯のタグを織り込むことで,それぞれのタグの特性を活かしたシステム構築を行い,必要な粒度で人及び移動体の検出が可能になる 今年度は,電波到達距離の異なる2種類のRFIDタグを糸状にし,テキスタイルを製造するための製造,加工方法を研究開発した。具体的にはUHFと2.45GHz帯のRFIDテキスタイル製造方法、加工方法を開発した。特にRFIDは電子部品であるため屈曲や圧力等の外力に弱く、伸縮性がない電子部品で、かつ2種類以上の異なる形状を同時にテキスタイル生産工程で加工することは困難である.そこで無機繊維と有機系繊維の複合加工技術を応用して開発を計画し、また、位置認識システムとして床面に配置するので、その時の耐久性評価を行った。次に、リーダーシステムに関し、ハイブリッドRFIDテキスタイルで使用を想定している3種類の周波数帯のリーダーの開発をそれぞれ行った。3種類の内訳は、2.45GHz,HF,UHF帯の3種類である。
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