研究課題/領域番号 |
22300023
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
若宮 直紀 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (50283742)
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研究分担者 |
荒川 伸一 大阪大学, 情報科学研究科, 准教授 (20324741)
大下 裕一 大阪大学, 経済学研究科, 助教 (80432425)
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キーワード | 情報ネットワーク / 自己組織化制御 / ネットワーク制御 / 生物ダイナミクス / 協調制御 / ネットワーク推定 / 適応制御 / 論理ネットワーク制御 |
研究概要 |
ネットワーク拡張性を向上する自己組織型エンティティ協調制御について、平成22年度に提案した階層型トラヒック制御手法を発展させ、ネットワークを地理的に分割、階層化を行い、頻繁に行うことが可能な局所的な制御と、長い周期で行う広い範囲の制御を組み合わせる手法を提案した。上位層では集約されたトラヒック情報を交換し、下位層では制御範囲内の詳細な制御情報を交換する。シミュレーション評価により、階層化せずに全リンクの情報を用いたTEと比較して、半分以下の時間で輻輳を解消することを明らかにした。また、局所情報取得のためのネットワーク推定技術について、リンク負荷などの一部の測定情報から対地間トラヒック量を推定するトラヒックマトリクス推定手法として、ネットワークの一部のノードを選択し、選択されたノードから収集したトラヒック情報のみから全リンクのトラヒック量を推定することにより、トラヒック情報収集負荷を削減する手法を提案した。評価結果より、全ノードのうちの30%のノードから収集したトラヒック情報から提案手法によって推定されたリンク使用率を用いることにより、トラヒック変動によって発生した輻輳を解消するような仮想ネットワーク再構成が可能であることが明らかになった。さらに自己組織型エマージェント制御に関する研究として、平成22年度に提案した自己組織的なネットワークアーキテクチャを発展させ、ノードやネットワークなどネットワークシステムの全ての構成要素が階層間、階層内の相互作用によって、ネットワークシステム全体の機能が生み出される、自己組織的なネットワークアーキテクチャを考案した。自己組織的なネットワーク制御の基本原理としては、特に生物学を中心とした他の学術領域において得られている自己組織化に関する知見を応用し、非線形数理モデルにもとづいた制御機構を提案している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本提案課題で取り組んでいるエンティティ協調制御手法、エマージェント制御手法に関する基礎検討を終えており、順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
エンティティ協調制御手法、エマージェント制御手法の定量的評価を進めつつ、これらの制御手法を連携するための方式検討、パラメータ検討を進める。具体的には、階層化された自己組織型の情報ネットワークにおいて、上位層下位層間の連携方法の検討と定量的評価に取り組む。
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