研究課題/領域番号 |
22300025
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
福田 晃 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 教授 (80165282)
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研究分担者 |
田頭 茂明 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 特任准教授 (70332806)
荒川 豊 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助教 (30424203)
中西 恒夫 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 准教授 (70311785)
久住 憲嗣 九州大学, システムLSI研究センター, 准教授 (10380685)
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キーワード | ユビキタスコンピューティング / 実空間指向コンピューティング / 情報システム |
研究概要 |
本研究課題の目的は、目の前の人との通信、拡張現実技術を通して誘発される通信、すれ違い通信など、現実環境を拠り所にした通信にいち早く着目し、これらの通信を効果的に支援する新たなネットワーク基盤技術を確立することである。平成23年度は、昨年度からの継続課題であったシステムの基本設計および要素技術の設計を実施したことに加えて、開発した要素技術の統合およびテストベッド環境の構築を行った。具体的な成果は次の通りである。(1)現実環境の状況(コンテキスト)を取得するために、センサを用いた対象物体の測位技術を応用し、対象物体の動線を正確に抽出する技術を確立した。また、センサの幾何学的配置が測位精度に与える影響を調査し、センサを効率的に配置する手法を提案した。さらに、センサ間はメッシュネットワークで接続されるため、各センサのチャネル設定を、通信と測位の観点から考察し、通信と測位の両方の性能を同時に改善する手法を確立した。これらの技術の有効性を示すために、九州大学伊都キャンパスにおいて、普段の生活を営む学生の動線を解析する実証実験を行った。(2)現実環境で起こる様々な事象を地理的および時間的に解析する手法を確立した。現実環境の情報から特に重要な情報を抽出するため、事象の局所性および周期性を、得られたセンサデータから解析する技術を提案した。この技術の有効性を評価するために、Twitterの位置情報付きtweetを解析し、現実環境のトピックを抽出する実験を行った。(3)九州大学伊都キャンパスに無線センサを配置し、テストベッド環境を構築した。配置したセンサは(1)で述べた動線解析技術の評価で利用するとともに、次年度以降、開発した要素技術の有効性を評価するために用いる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現実環境を融合するユビキタスネットワーク技術に必要なシステムの全体設計および要素技術の開発を実施しており、研究成果を着実にあげている。さらに、予定していたテストベッド環境の構築が完了しており、おおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、平成23年度までに開発した各要素技術を統合し、さらに、平成23年度に構築したテストベッド環境および評価を踏まえ、改善していく。また、提案技術の必要性が広く理解されうるアプリケーションを構築し、提案ソフトウェアの総合評価を行う。
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