研究課題
本研究課題ではペアリング暗号の基礎理論から実装技術までを含めた研究を行っている。本年度は、ペアリング暗号の高速な実装を目的として、128ビットセキュリティレベルのR-ateペアリングとηTペアリングをAndroid携帯電話において実装評価を行った。また、ペアリング演算とべき乗演算との比較データや、すでに実用化されている公開鍵暗号であるRSA暗号との実装スピードの比較も行った。一方、合成数位数ペアリング暗号の高速化アルゴリズムを考察した。合成数位数ペアリングの場合は、素数位数ペアリングと異なり高速実装に向いた合成数を選ぶことが難しく、Window 法ベースのMiller's Algorithmの高速化手法を提案した。6-HBTF (Hybrid Binary-Ternary Form) を適用した提案方式による合成数位数ペアリングの演算時間は、予備計算に必要なメモリ量が最小で同じである2NAF (Non-Adjacent Form) を適用したWindow Miller's Algorithm と比較すると約11%の高速化が実現できた。更に、双線形性ペアリング写像を利用した暗号プロトコルとして署名付き暗号化方式(signcryption)を考察し、標準モデルで安全性を証明できるIDベース型のsigncryptionを2方式提案した。最後に、安全性証明可能な暗号方式に関して議論する国際会議 ProvSec 2012の予稿集を出版した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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2013年暗号と情報セキュリティシンポジウム
巻: SCIS2013 ページ: 70-70
Concurrency and Computation: Practice and Experience
巻: Vol.24, No.17 ページ: 1977-1989
DOI:10.1002/cpe.1823
電子情報通信学会論文誌
巻: Vol.J95-A, No.7 ページ: 579-587
Computers & Electrical Engineering
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10.1016/j.compeleceng.2011.11.001