研究課題/領域番号 |
22300027
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
戸出 英樹 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20243181)
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研究分担者 |
谷川 陽祐 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90548497)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 光ネットワーク / コンテンツ配信 / 進化計算 / オーバーレイルーチング / アメーバノード |
研究概要 |
1.進化型自律分散ネットワーク制御機構を実現する進化計算アルゴリズムの提案とパス制御機構への応用 平成24年度は、自律分散的に動作し、状況に応じて学習を繰り返し進化する性質を有するネットワーク制御機構の確立をめざし、特に、アメーバノードコンセプトを導入した光/IPネットワーク基盤に対し、進化計算の一種であるGenetic Algorithmをベースとした進化型動的網構成制御機構の基本提案を拡張設計した。拡張された本提案制御機構では、GAベースの遺伝子データの定義と進化アルゴリズムを改良し、多様な構成ノード数からなるアメーバノードを構成可能にするとともに、これまでは事前に固定していたネットワーク内部のアメーバノード数も柔軟に変更可能にした。次に、提案アルゴリズム内に下位レイヤに位置する光ネットワークの回線容量制約を条件として組み込むことにより、現実的な解を算出可能なアルゴリズムに改良した。これらの改良型アルゴリズムを詳細設計した後に、シミュレータ作成、性能評価を行い、その結果、提案方式のIPレベル平均ホップ数の面からの有効性がさらに向上する結果が得られた。 2.P2P-光ネットワーク連携型コンテンツ配信基盤の改良と性能評価を通した有効性検証 P2P-光ネットワーク連携型コンテンツ配信基盤に対し、上位ASに下位ASが接続された階層型ネットワーク構造を想定してピアの近傍性を考慮した接続候補のリストを構成すること、さらに、極端な局所化を避けるため、オリジンから直接データを受け取るブリッジピアを導入した。上位レイヤに固定的に導入するStrictly Defined Bridging Peersと確率的に割り当てを行うLoosely-defined BPsを新規導入した。計算機シミュレーションにより設定光パス長の短縮を定量的に確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画に沿った形で基本提案方式の立案、詳細設計、有効性の評価と着実に進捗している。予定していなかった機能を新規に導入するなど、方式の面からは予定を上回る拡張方式となっている。 プロトタイプ実証実験に関しては、実装ノードの選別を含め仕様の検討に入った段階である。
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今後の研究の推進方策 |
光ネットワーク基盤の回線容量制約や光パス長などに現実的な制約を設けた状況において、適切な評価関数を導入して厳密解を見出す。一方、P2P-光ネットワーク連携型コンテンツ配信基盤に関して、パートナーとなるグループを進化的に逐次更新させるアプローチやコンテンツ指向ネットワークにおけるBreadcrumbsのコンセプトを新たに導入することなどを詳細検討する。基本実験用のプラットフォームを試作する。Socketベースのパケット転送部と連携することによりプラットフォームを構築する。ノード機能としては、小型のラズベリーパイを用いることにより、ある程度のノード数を確保する。
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