研究課題/領域番号 |
22300033
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
竹林 洋一 静岡大学, 創造科学技術大学院, 教授 (10345803)
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研究分担者 |
北澤 茂良 静岡大学, 情報学部, 教授 (00109018)
堀内 裕晃 静岡大学, 情報学部, 教授 (40221569)
杉山 岳弘 静岡大学, 情報学部, 准教授 (70293595)
秡川 友宏 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 准教授 (90324326)
桐山 伸也 静岡大学, 情報学部, 准教授 (20345804)
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キーワード | 行動発達事典 / マルチモーダル / コモンセンス / 行動コーパス / 知識映像コンテンツ / 子育て支援 / コミュニケーション学習支援 / 集合知構造化 |
研究概要 |
本研究では、人間の認知行動メカニズムの解明とそれによる人間支援システムの構築に向けた研究基盤の創出に向け、行動発達の知見を実世界現場で役に立つ「事典」コンテンツに仕立て、専門家と一般視聴者の「コモンセンス知」を結集・構造化し、事典を深化成長させる仕組みの実現を狙う。初年度は、行動発達事典のプロトタイプを構築するとともに、事典構築・活用のための基盤システムを開発した。 1. 子育て支援のためのマルチモーダル行動発達事典の構築 小児科医、保健士、発達研究者など、子育て関連の専門家による子どもの行動発達についての解説映像を新たに収録、コンテンツ化した。既に構築した「子どもの行動コーパス」から専門家の解説に関連する事例を抽出し、これらを行動発達事典に蓄積した。 2. 複数の観点で発達を捉える行動観察システムの開発 「子どもの行動コーパス」を基軸に、共通の行動事例映像に異なる観点での解釈を持ち寄って議論し、客観的な解説を生成するのに役立つ行動観察システム(CODOMO-viewer : A viewer for Corpus-Oriented Development Observation from Multiple Objectives)を開発した。コミュニケーションスキルの獲得過程分析を実践し、本システムによる行動発達分析が多様な観点に基づく仮説生成に有用で、事典コンテンツ間の関連付けを充実化でき、子どもの行動発達解説コンテンツ制作に役立つことを示した。 3. 視聴者の目的に合わせて提示内容を適切に切り替える事典視聴システムの開発 既開発の対話型Web映像コンテンツナビゲーション技術BalloonNavi(TM)をベースに、視聴者の立場や状況を考慮し、所望のコンテンツに的確に誘導できるシステムを開発した。子育て支援の事典コンテンツについて、行動事例映像に基づく子どもの発達解説を親、保育士、研究者向けに異なる視点で視聴でき、子育ての方針を対話的に聞き出し的確なアドバイスを提供できる仕組みを実現した。 専門家と現場の視聴者が一体化し深化成長させるこれまでにない「事典」の第一版を創出した。
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