研究課題/領域番号 |
22300038
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
海野 敏 東洋大学, 社会学部, 教授 (80232891)
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研究分担者 |
曽我 麻佐子 龍谷大学, 理工学部, 講師 (40388161)
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キーワード | 芸術諸学 / 舞踊学 / 自動振付 / モーションキャプチャ / データベース |
研究概要 |
本研究は、5年間の研究期間で「データ収録→システム開発→評価実験」のサイクルを反復させながら進める。このサイクルは次の8フェーズから構成されている。(A)ダンスの構造分析と要素動作の抽出→(B)プロダンサーの実演によるモーションデータの収録→(C)モーションデータの加工・編集→(D)モーションデータベースの構築→(E)自動振付アルゴリズムの考案→(F)システムインタフェースの構築→(G)システムの評価実験→(H)研究成果の発表。平成23年度は、クラシック・バレエとコンテンポラリーダンス(現代舞踊)をフィールドとして、以下の作業を行った。 (A)ダンスの構造分析と要素動作の抽出:現代舞踊(コンテンポラリーダンス)のプロダンサー・振付家の協力によって、振付の時空間構造の分析を引き続き試みた。 (B)プロダンサーの実演によるモーションデータの収録:バレエのプロダンサーの実演を1回収録した。具体的には、国内トップクラスのバレエダンサー男女2名に依頼し、バレエ古典作品のパ・ド・ドゥ(アダージオ)1曲と、研究上必要なポーズ、ステップのデータを収録した。 (C,D)モーションデータの加工・編集、モーションデータベースの構築:収録済みのモーションデータを、龍谷大学において曽我の指導で大学院生の協力で加工・編集した。収録時期の古い実演データを優先させた。 (F)システムインタフェースの構築:iPadを購入し、これまで開発してきたシステム"Web3D Dance Composer"を改良して、iPadで利用できるようにする準備を開始した。 (G)システムの評価実験:舞踊評論家3名へ依頼し、すでに"Web3D Dance Composer"で行った現代舞踊の創作実験の結果について、創作した振付作品がコンテンポラリーダンスの舞台作品として十分な水準を満たす振付の萌芽となっているかどうかを評価した。この評価実験によって、学習・教育用システムとしての一定以上の実用性が明らかとなり、アルゴリズムおよびシステムの改善点を洗い出すことができた。 (H)研究成果発表:本プロジェクトの既存のウェブサイトの抜本的な改変を行って情報発信力を強化した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
東日本大震災の影響で、年度の前半は十分にスケジュールを立てて進めることができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
当初はクラシック・バレエとコンテンポラリー・ダンスに加えて、ヒップホップ・ダンス、さらにその他のジャンルの舞踊を対象とした自動振付にも研究を展開させる予定であったが、コンテンポラリー・ダンスの振付の構造分析が予想外に困難で時間を要することと、研究の進捗がやや遅れていることを受けて、当面はクラシック・バレエとコンテンポラリー・ダンスの領域内にとどまって研究を進める。自動振付のアルゴリズムについて十分な蓄積を得た上で、ヒップホップ・ダンス等のジャンルの舞踊を対象とした自動振付を研究のスケジュールに乗せる。
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