研究課題/領域番号 |
22300041
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
熊澤 逸夫 東京工業大学, 像情報工学研究所, 教授 (70186469)
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研究分担者 |
佐藤 誠 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (50114872)
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キーワード | 触覚 / ハプティック / ユーザインターフェイス / CAD / 仮想現実感 / タッチパネル |
研究概要 |
本研究課題が対象としている携帯機器の主流が、従来のキーボードを搭載した機器から、タッチパネルを用いるスマートフォンやタブレット端末などに急速に移行してきたことから、23年度は本課題開始時の計画を修正し、タッチパネルをベースとしたユーザインターフェイスの操作を疑似体験させる技術を開発してきた。具体的には、指とタッチパネルの間に介在して、タッチパネルの操作時に指の触覚に刺激を与えるデバイスを各種試作した。タッチパネルで指の運動を検出し、特定の指の動作に同期させて、試作デバイスで各種の触覚フィードバックを指に加えるようにした。触覚フィードバックは、前年度に開発した「ワイヤの張力で操作中の指に力を加えるデバイスを用いて、タッチパネル上の指の操作に同期してモータでワイヤの張力を変化させて指に加える方式」、23年度に開発した「指で保持するペン型デバイスの指に接触する位置、またはタッチパネルに接触する位置に設けた刺激子をモータで駆動してその変位を指の触覚に伝える方式」及び、「モータを使わずに、指の操作を通じてゴムに弾性エネルギーを蓄積し、そのエネルギーを操作中に適切なタイミングで開放することで、ゴムの弾性や反発力を活用して指に触覚刺激を加える方式」の3つの方式で指に加えるようにし、従来のキーボードやスティック、トラックボールを操作する際に指が感じる触覚情報をタッチパネル上で疑似体験させて、それが操作性に与える影響を評価した。多数の被験者を通じて、こうしたデバイスを通じて生成される触覚フィードバックの効果を評価する実験を行い、その結果を国際会議や学術誌で報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
多数の触覚フィードバックデバイスを考案、試作し、評価データを蓄積し、学会発表も多数行えた。
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今後の研究の推進方策 |
23年度には、モータを利用して能動的に触覚刺激を生成して指を刺激するアクティブ方式とモータを使わずにゴムの弾性エネルギーで触覚刺激を生成するパッシブ方式を開発したが、24年度は両方式を組み合わせたハイブリッド方式を開発し、より小型、低消費電力のデバイスで操作性の改善につながる触感を模擬的に生成できるようにする計画である。
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