研究課題
平成22年度は、初期的な環境知能システムのソフトウェアおよびハードウェア構成を設計し、実験室内において実装を行った。本年度の目標は、計算機資源とインタラクションのモダリティを、ユーザの文脈に応じて最適化するシステムの設計・実装であった。具体的に本年度行ったことは、1.エージェントマイグレーションを用いたコンピュータのインタフェース部分の設計・実装(エージェントがマウスに移動し、アンビエントに情報を提示するシステム)、2.複数の人とインタラクション可能なロボットシステムの設計・実装(ロボットが複数人で作る社会空間を認識し、その空間への侵入を回避するシステム)、3.生体情報を用いたユーザの意図推定システムの設計・実装(ユーザの生体情報をSCRで計測し、意図や情動を認識するシステム)であった。また、これらの3つのシステムは実装後、評価実験を行い、システムが設計の目的どおり動作していることを確認した。2と3の研究についてはその成果をHAIシンポジウム2010、インタラクション2011などの学会などで発表し、関係する研究者と議論を行った。しかし、これらはいまだ初期的な環境知能システムであるため、次年度以降、実用化可能なシステムの実現を目指す。また、研究実施計画で述べた、ヒューマンインタフェース、情報メディア、認知科学、コミュニケーション論などを専門とする研究者との議論は積極的に行い、研究のコンセプトの精緻化に関して一定の成果を得ることができた。
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)
International Journal of Human-Computer Interaction
巻: Vol.27, No.3 ページ: 260-279
Computer Networks
巻: Vol. 54, No. 16 ページ: 2840-2855
International Journal of Social Robotics
巻: Vol.2, No.2 ページ: 159-173