研究課題/領域番号 |
22300049
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
村田 剛志 東京工業大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (90242289)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 異種頂点ネットワーク / コミュニティ抽出 / signed network / modularity / 3部ネットワーク |
研究概要 |
平成24年度の実績は以下の通りである。 (1)異種頂点ネットワークの一つであるsigned networkからのコミュニティ抽出についての論文が人工知能学会誌に掲載された。ネットワークの辺に正負の符号がついているようなsigned networkにおけるモジュラリティを拡張し、パラメータによって正の辺(負の辺)を重視する度合いを変えるようにした。また、そのような拡張したモジュラリティの値を最適化するための高速な手法も実装した。それによって、比較的大規模のsigned networkからのコミュニティ抽出に成功しただけでなく、パラメータを変化させることによって派閥内派閥のような構造を見出すことにも成功した。 (2)ネットワークにおける頂点の属性間の類似度を加味したモジュラリティの拡張についての研究を行った。一般のネットワークにおいては、距離的に近くにあるノード同士が近い性質をもつことが多く、通常のコミュニティ抽出手法を用いると距離的に近いノード集合がコミュニティとして抽出されることが多い。この研究では、そのような類似度による影響を除去することが可能であり、それによって距離的に遠くにあるようなコミュニティを抽出することができる。これは、例えばテロリストのコミュニティを見出す上で重要である。 (3)3種類の頂点から構成される3部ネットワークからのコミュニティ抽出のためのモジュラリティの拡張についての研究を行った。はてなブックマークなどのソーシャルタギングシステムは、「ユーザ」「リソース」「タグ」の3種類の頂点を結ぶ3部ネットワークとみなすことができる。本研究ではそのような3部ネットワークからコミュニティを抽出する手法を考案した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
signed networkや3部ネットワークなどのネットワークに対して、現実的な速度で処理可能なシステムを構築することに成功している。
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今後の研究の推進方策 |
研究成果を論文として発表することはもちろんであるが、ツールとして公開することを視野に研究を進めていく。
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