研究課題/領域番号 |
22300055
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
松田 憲幸 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (40294128)
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研究分担者 |
小倉 光博 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (90326364)
池田 満 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 教授 (80212786)
橋田 浩一 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (00357766)
瀧 寛和 和歌山大学, システム工学部, 教授 (10304180)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 教育工学 / メタ認知 / ワークショップ / オントロジー工学 / 看護教育 |
研究概要 |
看護師は自ら為したサービスが患者の生死をも左右する重圧から精神を患い、ときに離職にまで至ってしまう「バーンアウト症候群」が社会問題となっている。本研究は、和歌山県立医科大学附属病院の看護部と連携して、自らの実践経験について思考する訓練が看護師の悩みを軽減するとの前提のもと「思考の指導法」の確立を目指した。自分の中のもう一人の自分と対話する“自己内対話”と実際に他者と議論する“他者対話”とが同じ性質を有することに気づくコミュニケーション力・思考力育成モデルを仮定し、看護の現場で実際に指導を行い、その効果を測定しながらモデルを洗練した。“思考(考える)”をオントロジーに定義し、教育プログラム(研修)を構築して必要な教材支援ツールを開発し、実証実験を積み重ねた。教育プログラムは,参加する看護師に自らの経験について教育支援ツールを用いて,あらかじめ定義した思考を表す要素を選ぶことで言葉に表し、他者とのディスカッションを通して,より’よい’思考について考える訓練を行った。実際に看護師の研修を実施し効果を分析した結果、自らの経験の結果にのみとらわれた思考しかできなかった多くの看護師が,違う考え方を創造できるようになることで,これまで抱えてきた精神的な負担を軽減しているといった効果を定性的な分析から確認できた.また多くの参加者から好評を得た.一方で、参加した看護師らが研修で学んだ考え方を所属する部署で活用することが難しく,研修の後,徐々にその効果を失っている課題が浮かびあがった.この原因には、考え方を同僚に言い表す言葉をもたないことと,研修の効果を持続して現場へ波及し続けるための体制が組織に備わっていないことが原因と考えられる。同僚との間に思考を表す共通の語いを醸成し,新しい役職「リーダ看護師」を育成して、管理部門の教育方針や現場の実情を汲み上げて研修を企画するといった体制が考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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