研究課題
本年度(3年目)は、本研究で提案してきたphantom task(タスクの実態が無いもので、それをあると仮定してエージェントにメッセージを送り入札を受け、そこから情報を得るが、どのエージェントも落札しない)を活用した周囲の状況の推定法を柔軟化し、これまで特定のサイズ(仕事量)を仮定していたタスクだけでなく、広く使えるように拡張した。また、この提案手法を、作成したシミュレーションを活用して評価を行い、既存により(状況によるが、平均して)15%程度の性能向上が得られることを確認した。また、組織構造として階層構造を導入し、これに学習と再編を行わせる手法を、昨年度の結果に加え、評価を行った。これとは逆に、昨年度提案した「エージェントに割り当てられたタスクに対する報酬を学習させ、チーム編成に対する役割を自律的に選択させる手法」という役割学習について、エージェントの能力(リソース)を既知とせず、学習を並行指せる手法として拡張した。本期で特に重要な知見は、最後の役割学習をより詳しく分析し、この学習過程を通じて自律的な組織化(グループ化)が発生していることを確認したことである。これは、特に構造を持たない一様なエージェント間のつながりに経験を通して重み(繋がりの強さ)を学習させることで、システム全体の効率化を実現できることが分かった。これは、特に大規模なマルチエージェントシステムにおいて発生する過学習の弊害や収集化(昨年度報告)を防ぐだけで無く、メッセージや判断処理に必要な時間を格段に減らしながらも、かなりの効率を得られる可能性があり、重要な示唆となった。今後は、この知見をもとに、大規模システムにおける制御に関する基本機能を解明する。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2013 2012
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (2件)
Proceedings of IEEE Sensors Applications Symposium (SAS)
ページ: 104-108
Intelligent Decision Technology Journal
巻: 未定 ページ: 2013秋掲載予定
Computer Communications
巻: 36 (5) ページ: 575-588
10.1016/j.comcom.2012.12.002
Proceedings of 2012 IEEE/WIC/ACM International Conference on Intelligent Agent Technology
巻: IEEE Xplore ページ: 324-331
Proceedings of the 6th International KES Conference on Agents and Multi-Agent Systems - Technologies and Applications
巻: LNCS 7327 ページ: 544-553
10.1007/978-3-642-30947-2_59
エージェント合同シンポジウム(JAWS2012)論文集
巻: 1 ページ: online
Proceedings of 7th International Workshop on Agents in Traffic and Transportation (AAMAS 2012 Workshop)
巻: CD-ROM ページ: 1-9