研究課題/領域番号 |
22300063
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
誉田 雅彰 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (90367095)
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研究分担者 |
高西 淳夫 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50179462)
田山 二朗 独立行政法人国立国際医療研究センター, その他部局等, その他 (50221403)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 音声生成 / 病的音声 / 声帯モデル / 発話ロボット |
研究概要 |
研究目的:疾患を有する声帯の機械的実体モデルを構築し,声帯実体モデルを用いて病的声帯振動および病的音声を再現することにより,声帯疾患に起因する病的音声の生成メカニズムを構成的に明らかにする. 研究経過:昨年度に引き続き,疾患声帯を模擬する声帯実体モデルの作成および実体モデルを用いた病的音声の生成メカニズムを実験的に明らかにする課題に取り組んだ.今年度は,声帯ポリープや声帯嚢胞を有する疾患声帯と対象として病的音声の生成メカニズムに関する検討を進めた.まず,熱可塑性エラストマー(セプトン)素材を用いて声帯ポリープや声帯嚢胞を模擬する半球状の突起が片側声帯に存在する声帯モデルを形成した.この声帯モデルを用いて左右不均衡な声帯張力調整および声門開閉調整による喉頭調整を行い,病的声帯振動の再現を試みた.その結果,声帯実体モデルを用いて人に病的声帯振動に良く見られる二重周期振動を初めとする不規則な声帯振動が再現できることを実証した.また半球突起のサイズが異なる数種類の声帯モデルを作成し,突起のサイズが声帯振動に及ぼす影響,不均衡な声帯張力調整および声門開閉度が声帯振動に及ぼす影響について詳細に検討を行った.その結果,半球突起のサイズが直径7mm以上になると顕著な不規則声帯振動が生じること,声帯張力の不均衡度の増大および声門開閉度の増大によって,不規則声帯振動がより顕在化することが明らかとなった. 昨年度実施した,左右非対称声帯モデルに対する実験結果と今回の声帯突起を有する声帯モデルに対する結果より,声帯実体モデルが人の疾患声帯の振動にみられる特徴が比較的よく再現できることが示された.ただし,突起声帯モデルでは,人のポリープ声帯の振動と比較してその不規則性の程度が未だ不十分な面があり,突起物の物理的特性をより人の疾患声帯に近づけることが今後の課題として残された.
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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