研究課題
人物の顔が表現しうる様々な属性情報のうち、個性、年齢、感情、健康状態に着目し、これらの特徴を定量的に表現し、高精度かつリアルにパラメータ表現する研究を行った。まず、実際の顔面の解剖実験を共同研究者の島田教授と共に実現し、個体毎に表情筋の配置および脂肪層の構造に違いがあることを明らかにした。レンジスキャン結果から顔面皮膚の表面と表情筋層、さらに骨格層の3次元データを取得してモデル化し、各部位ごとの厚みを定量的にビジュアル表示して明確化した。次にレンジスキャナーによって計測した顔の立体形状と正面スナップショットから構成される大量の顔データベースを構築し、人間の顔形状には統計的に一定のルールがあることを見出しモデル化を試みた。なず、正面の顔から得られる目鼻等の特徴点を安定かつロバストに抽出できるアルゴリズムを開発した。これは輝度情報の線形予測によるもので、少ない学習データから安定に解が求まる点が特徴で、環境に応じた学習が可能である。また、主成分による制約をもたせることで、誤差を大幅に軽減した。さらに動画対応も実現できた。次にこの特徴点の情報から、個々人の顔の3次元構造を高精度に復元できることを明らかにし、さらにカメラから入力された写真に対して極めて高速に3次元顔モデルを自動生成できるシステムを構築した。この知見に基づき、さらに皺の制御によって年齢特徴の表現が可能であることを明らかにして、皺の制御によって個人の年齢を操作できるシステムを構築した。さらにこれらの顔モデルをベースにして、経年変化に強靭な顔認証システム、運転時の眠気推定システム、皺の付加による顔画像合成システム、発話顔画像合成システムの構築を行い、顔画像処理の分野に新たな知見を与え、分野の発展に大きく寄与することができた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2013 2012
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (9件)
電子情報通信学会論文誌D
巻: J95-D, No.8 ページ: 1530-1540