研究課題
多成分の超小型嗅覚ディスプレイに関しては、8成分調合が可能で鼻元に装着可能な嗅覚ディスプレイを開発した。この嗅覚ディスプレイはクレジットカードよりも小型である。この嗅覚ディスプレイを動画と共に提示するソフトウエアを作成し、その後低揮発性香気成分の残香の評価を行った。香水を用いた結果、すべての参加した被験者に対して残香を感じないという回答が得られた。この嗅覚ディスプレイは大学祭でも実演を行った。また、水晶振動子センサを用いた測定も行っている。さらに、ダイヤフラム型マイクロポンプに関しても駆動回路や液溜を製作しエタノール水溶液を駆動できるとこまで確かめた。広範囲の香りをカバーする要素臭の選択方法については、本年度長期にわたって質量分析器が故障したためサンプル数の拡張はできなかった。しかし、NMF(Nonnegative Matrix Factorization)法で使用する距離指標を工夫し、IS(Itakura-Saito)-divergenceを用いればKL-divergenceやユークリッド距離よりも広範囲の検出器強度に渡って良好な近似性能が得られることがわかった。今年度も引き続き、任意の位置の香りの濃度を流体シミュレータで計算する研究も行った。与えられた室内環境の幾何学的形状をレーザスキャナで計測し、その結果を利用して流体シミュレーションを行った結果、室内に広がる匂いの分布を計算により求めることができた。匂いと気流を同時に提示する装置に関しては、前年度に作製した装置にヒータを追加し、温かい食べ物や飲み物から匂いが立ち上る様子を再現できるように改良した。最後に学会“インタラクション”で嗅覚ディスプレイの実演を行い、多くの人々に体験してもらうことができた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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