研究課題/領域番号 |
22300076
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
中内 茂樹 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00252320)
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研究分担者 |
北崎 充晃 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90292739)
南 哲人 豊橋技術科学大学, エレクトロニクス先端融合研究所, テニュアトラック准教授 (70415842)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 脳波 / 事象関連電位 / 顔色情報処理 / 不自然さ / 潜在的態度 / 感情誤帰属 / 感性情報処理 |
研究概要 |
今年度は、自然さや嗜好といった感性情報に加え、理解や共感といった認知と記憶の相互作用を対象とした手法への拡張を試みた。まず、顔色が表情(感情) の処理に与える影響を明らかとすることを目的として研究を行った。実験では、表情 (普通の表情、怯えた表情)と顔色 (自然な顔色、青い顔色)の組み合わせから成る 4カテゴリの顔画像を使用した。被験者タスクは、ターゲットであるsubliminal/supraliminal顔画像の表情識別タスクとし、顔画像の表情が普通の表情だったか、怯えた表情だったかをボタン押しで判断させた。脳波に関しては、N170と、先行研究において表情の違いを反映するとされている ERP成分 P2、N2、P3に着目し、解析を行った。その結果、subliminal/supraliminalのどちらのターゲット呈示時間条件においても、すべての顔刺激に対して、潜時約 170msに大きな陰性の電位(N170)が生じていることが確認できた。130ms~200msの時間窓での陰性方向のピーク振幅とそのときの潜時を求めた結果、subliminal条件で青色の顔色に比べ自然な顔色に対して大きな振幅が生じ、supraliminal条件では反対に青色の顔色に対して大きな振幅が生じていた。 さらに、ネッカーキューブを用いて、ヒトの知覚が2つの図形の間で自発的に切り替わる瞬間の活動を脳波から主観的意識の研究を行った。自発的な知覚変化は本来、それがいつ発生するか予測することが困難である。しかし、本研究は、新たに提案した刺激呈示方法を用いて、従来の研究より正確な活動時間を特定したことが特徴的である。そして、自発的な知覚の変化と単なる図形の変化の瞬間の脳活動を比較した。実験の結果、自発的な知覚変化は、知覚変化後すぐ、右後頭部においてベータ帯(12-20Hzの周波数活動)が活性化した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画通り、脳波による、個性に関わる感性情報の抽出を進めることが出来ており、対象もアクセスの難しい印象や主観的意識などへ範囲を広げてきた。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに、いくつかの個性に関わる感性情報の抽出に成功しており、当初計画通り、今後、それらの結果を取りまとめるとともに、論文発表、国際学会発表など外部発表を積極的に進める予定である。
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