研究概要 |
本研究では,認知運動療法などにおけるリハビリテーションの支援を目標とし,ソフトコンピューティングに基づく計測システム及び人型パートナーロボットを用いた支援システムの研究開発を目的とする.今年度は,実施計画に基づき,(1)モニタリングシステムの開発,(2)状態推定システムの構築を行った.まず,リハビリテーションを円滑に行う為の行動モニタリングシステムの開発を行った.モニタリングシステムはタッチパネル,距離画像センサ,加速度センサを搭載した積み木から構成されている.タッチパネルにはapple社のiPad,距離画像センサにはMicrosoft社の開発したKinectを,加速度センサにはZMP社のIMU-Zを用いる.システムはiPadをもつ小型ロボットパートナーとその下部にKinectが設置し,被験者が計測範囲内に入ると自動的にチルトアップを行い,積み木を用いて,対話的にリハビリテーションを行うシステムとなっている 距離画像センサを用いた計測システムではMicrosoft社の開発したKinectを用いて人間検出システムを開発した.このシステムでは距離画像センサで得られた距離データに対し,定常型遺伝的アルゴリズム(SSGA)を用いてテンプレートマッチングを行い,人間の手先の位置とその軌道の検出を行った.3次元距離画像センサを用いているため,カメラからの映像では判別しにくい奥行き方向への動きへの対応も可能である.また,3次元の可視化により視点を自由に切り替えることができるため,セラピストが被験者の視点でどのような運動を行っているのかを確認することが容易になる.加速度センサはリハビリテーションに用いる積み木に組み込み,リハビリテーション中の積み木の把持中の傾きや移動量の計測を行った.来年度は,これらの計測システムを融合することにより,リハビリテーション支援システムを構築する予定である
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