研究概要 |
22年度は23年度からのネットワーク版SMART-GS/HCPサーバの構築を目指して、 (1) HCPサーバ・クラインアントモデルの設計 (2) サーバの構築 (3) クライアント作成のためのSDKの開発 (4) SMART-GSをネットワーク版に改造するための準備としてのリモデルおよびリファクタリング、の以上4点を行い、すべてほぼ第一版の完成をみた。これにより、23年度の早い時期からネットワーク版のHCP環境とクライアントの構築を行なう態勢が整った。 (1)は相原、林が協力しておこない、(2),(3)は相原が、(4)は林が担当したが、林が長年SMART-GSの開発を依頼していたソフトウェアデベロッパーの事情により、継続しての開発を依頼できなかったため、研究員2名を採用し、この2名の補助のもと、院生のアルバイトなども使い、林自身がコーディングの中心を担うという方式に変えた。研究員の人選や、その都合などにより、予定より開発が若干遅れたが、現在はほぼ予定どおりに進んでいる。開発はsourceforge.jp上で行い、すべて公開の体勢を採っている。 また、これらの研究中に、「画像検索(word spotting)によるreplaceを使う翻刻支援機能」を着想した。これは旧帝国議会議事録の大規模な検索実験を函館未来大学寺沢助教とともに行なった際に着想したものであるが、議会議事録、公文書のような、同じパターンのフレーズが多い文章の場合、幾つかのパターンを一挙にコード化してしまえば文書の大半が少ない回数のreplaceでコード化できるだろうという単純だが実用的と思われるアイデアである。このためのプレースホルダーをもつテキストの実現方法も研究した。これは23年度に実装し実史料で実験を行なう予定である。
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