研究概要 |
本研究の目的は、学術論文に関連する研究者等の利用に焦点をあて、調査を通じてその実態を明らかにするとともに、大学図書館等による情報提供環境が研究者の学術論文の利用に関する期待と要求にどの程度まで応えているかどうかを確認することにある。 最終年次の平成24年度においては、前年度までに実施した「学術論文に関連する研究者等の情報利用に関するオンライン調査」において45機関の約4,000の研究者等から得られた回答について、集計、分析および結果の取りまとめを行った。結果として、1) 薬学、化学、生物学、物理学、医学等の自然科学分野においては、回答者の9割以上が少なくとも月1回以上電子ジャーナルを利用している、2) 人文社会科学における利用度は、自然科学ほどではないが、それでも月1回以上利用する者の比率は2001年調査の4倍に達している、3) e-books端末の利用は未だに低調であるが、今後の利用意向はきわめて高い、4) 自然科学の回答者の62%、人文社会科学の回答者の54%が「電子ジャーナルが利用できるのならば印刷体は不要」と回答しているように、これは学術雑誌の印刷体の必要性に対する認識は前回調査(2007年)と比べて大きく変化していること等が明らかとなった。 これらの成果については、ASIS&T 2012, 75th Annual Meeting(Balimore、2012年10月)、第60回日本図書館情報学会研究大会(福岡、2012年11月)において学会発表を行うとともに、第14回図書館総合展(横浜、2012年11月)、学術出版関係者との検討会(東京、9月25日)を通じて公表を行った。 また、詳細について「研究成果報告書」を取りまとめ、印刷配布およびウェブページでの公開を行っている。
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