研究概要 |
本研究は、グローバルな規模で進展する図書館情報学専門職の学位・資格の国際的な同等性と互換性に関する議論の進展を監視するとともに,この領域における教育・実践・研究の基礎データを収集・組織化し公開する。その作業を通じて,国内でこの問題に関する関心を喚起し,伝統的な国際比較図書館学を現代の情報社会に適用した国際図書館情報学(GlobaLIS)の枠組みを構築する。また,この問題に取り組む研究者間の国際交流で得られた知見を現実レベルに還元するために,アジア地域での学校図書館の共通カリキュラム作成のための国際共同セミナーを企画・実施する。 平成23年度の研究実績: (1)教育機関・専門職団体の訪問調査による図書館情報専門職教育質保証動向の把握 ・マレーシアで開催された2011年アジア太平洋図書館・情報教育国際会議(A-LIEP2011)に参画して本研究プロジェクトへの協力を呼び掛けるとともに、図書館情報専門職の学位・資格の国際的同等性と互換性に関する各国・地域の状況を把握した。 ・日本の図書館情報学領域の教員に対するグループインタビューを通じて,図書館情報専門職教育の質保証に向けた専門職の学位・資格の国際的同等性と互換性に関する議論への意見を聞き取り調査し,日本におけるこの問題への取り組みを喚起した。 (2)ウエブサイトGlobaLISの運用と収集情報の公開 ・A-LIEP2011において本研究の計画と進捗状況を報告し,GlobaLISウェブサイトの広報を行った。 ・A-LIEP2011において図書館情報学教育システムの国際比較研究への参加者を募り,図書館情報専門職教育の質保証への取り組みに関する国際比較研究論文集の分担執筆を企画した。 (3)アジア太平洋地域の学校図書館国際研修プログラムの共同開発とセミナーの実施 ・A-LIEP2011において学校図書館国際研修プログラム共同開発の進捗状況を報告し,次年度に実施される「学校図書館専門職国際セミナー」の企画に着手した。
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