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2012 年度 実績報告書

浮世絵属性情報アーカイブシステムの構築と活用研究

研究課題

研究課題/領域番号 22300088
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

日比谷 孟俊  慶應義塾大学, システムデザイン・マネジメント研究科, 講師(非常勤) (60347276)

研究分担者 内田 保廣  共立女子大学, 文芸学部, 教授 (10044736)
佐藤 悟  実践女子大学, 文学部, 教授 (50178729)
嶋津 恵子  慶應義塾大学, 先導研究センター, 特任准教授 (70424215)
研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード浮世絵 / 吉原細見 / 姉女郎 / マネジメント / 文化文政 / 河東節 / 一中節 / 芝居
研究概要

浮世絵に描き込まれた内容をデータベース化するために,「作品情報」,「絵の属性」,「描画要素」の階層ごとに情報を抽出した.溪斎英泉による「契情道中双ろく」の場合には,「描画要素」を,さらに「絵ベース」と「人物ベース」の二つに分類して実施した.
吉原細見における遊女名データベースを利用して,文政期に溪斎英泉が画いた揃い物の浮世絵(遊女絵)における開板年を特定した.この結果,襲名というメカニズムにより,一軒の妓楼において同一の名前を持つ花魁が長期にわたって存在することが明らかになった.絵に画きこまれた属性情報としての「紋」と「遊女名」に着目し,「紋」および有力な姉女郎の「名前の一文字」を共有するグループが妓楼内において,複数存在することを見出した.例えば,姿海老屋の「七里」を姉女郎とし,「桔梗紋」と「七」の一文字を共有する集団である.そのグループの中から,有力な妹女郎が次世代の「七里」,あるいは「七人」を襲名して,姉女郎としてグループのリーダーとなってゆく.他の妓楼においても同様である.妓楼におけるマネジメントの形態として,これまでに報告されたことのない人文社会学的な新発見であり,NHKTVヒストリア(1月23日)に出演し説明した.
文化文政期の吉原細見データベースにおいて,引手茶屋の当主の名や,巻末に掲載されている男芸者名を,芝居の辻番付,絵本番付,ならびに顔見世番付などのデータと比較することにより,例えば,茶屋主人「桐屋伊助」が,河東節においては「山彦新次郎」,また,一中節では「菅野序遊」として声曲界で活躍していたこと,さらに,寛政,文化,文政,天保期の「助六」においては,山彦新次郎,文次郎親子が,三味線を弾いていたことも明らかにした.一中節と関係する遊女絵も多く発見し,吉原における一中節の流行を裏付け,吉原,芝居,声曲が人的にも一体となっていたことを示すことができた.

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (4件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 浮世絵の構成要素を対象とする検索方法の検討2013

    • 著者名/発表者名
      本多亜紀・内田保廣
    • 雑誌名

      共立女子大学・共立女子短期大学総合文化研究所紀要

      巻: 19 ページ: 109-128

  • [雑誌論文] 溪斎英泉が描いた京町一丁目姿海老屋の人事異動2012

    • 著者名/発表者名
      日比谷孟俊
    • 雑誌名

      「浮世絵師溪斎英泉」展 図録 千葉市美術館

      巻: なし ページ: 23-31

  • [雑誌論文] 鍬形蕙斎絵本の版木, 中村吉兵衛の千年飴売り, 南京人之図2012

    • 著者名/発表者名
      佐藤悟
    • 雑誌名

      『鍬形蕙斎―絵本と版木―』 展図録  実践女子大学

      巻: なし ページ: 6-11, 14, 15

  • [雑誌論文] 葛飾北斎『風流源氏うたがるた』二種2012

    • 著者名/発表者名
      佐藤悟
    • 雑誌名

      浮世絵芸術

      巻: 165 ページ: 37-49

  • [学会発表] 画かれた河東節と一中節 - 吉原と菅野序遊父子 -

    • 著者名/発表者名
      日 比 谷 孟 俊
    • 学会等名
      第5回絵入本ワークショップ
    • 発表場所
      関西大学
  • [学会発表] 浮世絵から見た江戸新吉原江戸町一丁目和泉屋の歴史

    • 著者名/発表者名
      日 比 谷 孟 俊
    • 学会等名
      立命館大学日本文化デジタル・ヒューマニティーズ拠点セミナー
    • 発表場所
      立命館大学
    • 招待講演
  • [備考] 吉原と浮世絵に関するプレ国際シンポジウム

    • URL

      http://lab.sdm.keio.ac.jp/isyu/cfp-J.html

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公開日: 2014-07-24  

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