研究課題
知覚の能動性は注意機能の実験として研究されてきた。そして従来の注意研究は、主として視覚の注意機能を解明してきた。これに対し本研究は、触覚の注意機能に焦点をあてて研究を遂行した。視覚は空間全般を対象にしているが、触覚の対象は身体に触れる物体に限定される。それゆえ本研究が扱う触覚的注意は,物体対象の注意となる。本研究は、手指が物体に触れる事態に対し、心理学実験と生理学実験を行い触覚的注意を調べた。その際,手指の動きをともなわない受動的触覚と,手指の動きをともなう触運動感覚を取り扱った。また,触覚的注意と,身体運動や視覚との間の時空間特性を計測した。晴眼者と視覚障碍者を対象とした心理学実験と生理学実験を行った。その結果、触図の探索において探索対象の大きさが影響すること、方位座標の効果がみられることがわかった。また視覚探索において報告されている低頻度効果が触覚探索においても見られることが新たにわかった。これらの実験結果は、Perception、Perceptual and Motor Skills、Perception and Psychophysics、認知科学、i-Perception、Journal of Cognitive Neuroscience、Experimental Brain Research、電子情報通信学会論文集(D)、Journal of Communication and Computer、電子情報通信学会論文集(D)、視覚リハビリテーション研究、基礎心理学研究、Scientific Reports、Perception、NeuroImage、Frontiers in Human Neuroscience、i-Perceptionなどの査読付き学術誌に発表した。本研究では、これらの実験を通じ,触覚的注意の機能を実験により定量的に解析し,それにより物体触知の能動性を解明した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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i-Perception
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