研究課題/領域番号 |
22300099
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮野 悟 東京大学, 医科学研究所, 教授 (50128104)
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研究分担者 |
井元 清哉 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (10345027)
山口 類 東京大学, 医科学研究所, 講師 (90380675)
長崎 正朗 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (90396862)
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キーワード | 遺伝子ネットワーク / 薬剤応答パスウェイ / 動的モデル / シミュレーション / パスウェイ解析 / ベイジアンネットワーク / ベトリネット / 状態空間モデル |
研究概要 |
1.薬剤応答パスウェイモデルを網羅的にスクリーニングするための統計的計算手法を開発した。この方法は、まず、文献ベースで作ったプロトタイプの動的モデルから自動的に候補となる薬剤応答パスゥエイを生成し、次に、データ同化技法を用いて時系列遺伝子発現データからモデルのパラメータを自動的に推定する。そしてベイズ情報量基準により予測能力を評価し、モデルのランク付けを行う。5つのプロトタイプモデルを用いた計算機実験を行った。これらから53のシミュレーションモデルを生成し、開発した手法を、ステロイド系抗炎症剤を投与したラットの肝臓の遺伝子発現データに適用し評価した。その結果、このシステマティックな手法の有効性を示すことができた。また当ベイジアンネットワークについては、制約条件下で最適なベイズネットワークを探索する技法を検討した。状態空間モデルについては、高並列化でソフトウェアを利用できるように改良した。 2.文献ベースで高精度の動的パスウェイモデルを作るにはマニュアルキュレーションと大規模なパスウェイのバリデーションが必要とされる。通常のキュレーションでは、そのパスゥエイに精通した知識が必要であり、モデルのバリデーションとそのフィードバックを繰り返しながらと更新が行われ、このコストは大きい。そのため、本研究では、キュレーションにおける繰り返しコストを削減するために、CSO(Cell System Ontolgy)validatorを開発した。このツールによりキュレーターとドメインエキスパートとのやり取りが削減され、マクロファージ動的パスウェイモデルのデータベース構築において、より効率よく動的パスウェイモデルを文献ベースで作成することができ、その有効性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
方法論の構築は順調に進んでいるが、それを実証するための連携研究者との体制が十分に作れていないため。
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今後の研究の推進方策 |
連携研究者の協力(実験等)をいかに得るかが問題であり、既に連携関係ができているがん研究者を本研究にとりこむことにより、薬剤応答パスウェイのネットワーク解析を実施する。
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