研究課題/領域番号 |
22300107
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
那波 宏之 新潟大学, 脳研究所, 教授 (50183083)
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研究分担者 |
難波 寿明 新潟大学, 脳研究所, 助教 (90332650)
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キーワード | GABA / 上皮成長因子 / ニューレグリン / 神経発達 / シナプス |
研究概要 |
各種GABA神経細胞の電気生理学的反応を解析することで、これら栄養因子による認知行動変化との関係を探求するとともに、上皮成長因子とニューレグリン間の生理活性差の裏づけを取った。 (1)EGFやNRG1蛋白に対する各種GABA神経細胞群の生理学的反応差の検討 新生児ラットへのEGF投与動物やErbB1ノックアウトマウスを用いて、このシグナルが大脳皮質と淡蒼球GABA神経細胞の抑制性シナプス出力や自発発火頻度に及ぼす影響を評価した。ユニット記録とパッチクランプで解析を行ったところ、新生児期のEGF投与は、淡蒼球外周部での発火頻度を増大させるのに対し、EGF受容体ノックアウトマウスの大脳皮質でも同じ発火亢進を引き起こした。 (2)EGF、NRGI投与動物やそのトランスジェニックマウスの認知行動変化との相関 EGFやNRGのトランスジェニックマウスの認知行動をソーシャルインタラクション頻度にて評価・比較した。EGFトランスジェニックマウスは、NRGトランスジェニックマウス同様、その頻度低下を示したが、その時間には変化が無く、NRGに比べ緩和な障害であった。 (3)EGFやNRG蛋白によるErbB1、ErbB4受容体の活性化度とシグナル経路の違いの分析 培養した大脳皮質GABA神経細胞にEGFやNRGを作用させ、ErbB1受容体シグナルとErbB4受容体シグナル間の相互干渉の可能性を検討した。GABA神経細胞のマーカーであるカルビンジン、パルアルブミン、カルレチニン染色を実施したところ、EGF処理はいずれもマーカー染色細胞を低下させたが、NRG処理では変化が無かった。共投与ではNRGがEGFの効果を阻害する傾向にあった。 >>>このようにEGFに対するGABA神経細胞の反応は大脳皮質と淡蒼球といった脳部位で異なることが判明した。この理由として、発現している受容体ErbB1-4の組み合わせが各細胞で異なっていることが推定された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大脳皮質のGABA神経の反応は、論文として前年まとめることを完了し、本年は淡蒼球のGABA神経の反応性を解析し終えて、現在、論文執筆中である。EGFやニューレグリンのシグナル路の研究についても、データが蓄積しつつあり、近日中に取りまとめにかかる計画である。このように研究目標をおおむね順調に達成し、成果を上げつつある。
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今後の研究の推進方策 |
初代培養系において各種GABA神経細胞種を弁別して、上皮成長因子とニューレグリン間の生理活性差を判定するのは難しく、単一細胞での記録が可能な生理学的な手法を活用して、研究目標を達成したい
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