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2012 年度 実績報告書

体内時計中枢における分子神経メカニズムの決定

研究課題

研究課題/領域番号 22300108
研究機関富山大学

研究代表者

池田 真行  富山大学, その他の研究科, 准教授 (10288053)

研究分担者 池田 正明  埼玉医科大学, 医学部, 教授 (80232198)
研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2014-03-31
キーワード分子・細胞神経科学 / バイオイメージング / マウス / ショウジョウバエ
研究概要

本研究では、体内時計中枢であるマウス視床下部視交叉上核(SCN)とキイロショウジョウバエ(LNs)ニューロンを様々なバイオイメージング技法を用いて解析・比較することにより、時計遺伝子転写リズム、細胞内Ca2+/H+濃度リズム、および活動電位発火頻度リズムの因果関係を明らかにすることにチャレンジする。これらにより、体内時計中枢に共通する分子神経メカニズムを決定することを目的としている。
本年度は、これまでに分かってきたキイロショウジョウバエの前胸腺細胞の振動と、LNsの振動との仕組みの違いを、特に光情報入力による時計遺伝子の発現リズムの差として明確に捉えることに成功し、この結果を、Nature Communications誌に発表した。
ショウジョウバエを用いた実験においては、さらに、LNsの細胞内pHに劇的な概日リズムが存在すること、及び、LNs特異的なミトコンドリアH+トランスポーターの欠損により細胞内pHリズムが消失することを突き止めた。
マウスのSCNニューロンの細胞内Ca2+濃度リズムについての研究も進展し、SCN特異的にBmal1をノックダウンすることにより、細胞内Ca2+濃度リズムが減衰することや、このリズム減衰は細胞間コミュニケーションに依存しないことも明らかにした。
これらの研究成果に加え、本年度は、SCNの出力系としての室房核ニューロンの役割や摂食行動リズムについての論文をJ Biol Chem及びJ Physiol (Lond)に論文発表するなど多数の研究成果を得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度までの研究により、Nature Communications、J Biol Chem, J Physiol (Lond), Eur J Pharmacolなど多数の論文を発表している。また概日細胞内Ca2+リズムの研究については、北米神経科学学会シンポジウムで今年口頭発表を予定するなど、研究の進捗が世界からも注目されている。

今後の研究の推進方策

研究最終年は、これまでに得ている膨大なデータのまとめと論文発表、および国際学会におけるシンポジウム口演など、成果発表を主とする研究フェーズとなっている。SCNニューロンの生理学的研究については、多重トランスフェクションの限界が見えてきたため、Bmal1-lucレポーターマウスを用いた実験に切り替える予定をしている。ショウジョウバエ体内時計ニューロンの研究については、Natue Communications誌発表の後、多数の共同研究依頼を受けており、カリフォルニア大学アーバイン校の研究グループと実質的な共同研究を進めることが決まったところである。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Infant satiety depends on transient expression of cholecystokinin-1 receptors on ependymal cells lining the third ventricle in mice2013

    • 著者名/発表者名
      Ozaki T, Mohammad S, Morioka E, Takiguchi S & Ikeda M
    • 雑誌名

      Journal of Physiology (London)

      巻: 591 ページ: 1295-1312

  • [雑誌論文] Neuronal influence on peripheral circadian oscillators in pupal Drosophila prothoracic glands2012

    • 著者名/発表者名
      Morioka E, Matsumoto A & Ikeda M
    • 雑誌名

      Nature Communications

      巻: 3 ページ: 909

    • DOI

      10.1038/ncomms1922

  • [雑誌論文] Functional compensation between cholecystokinin-1 and 2 receptors in murine paraventricular nucleus neurons2012

    • 著者名/発表者名
      Mohammad S, Ozaki T, Takeuchi K, Unno K, Yamoto K, Morioka E, Takiguchi S & Ikeda M
    • 雑誌名

      Journal of Biological Chemistry

      巻: 287 ページ: 39391-39401

  • [学会発表] Oscillatory profiles of peripheral and central circadian pacemakers in Drosophila organotypic culture models2012

    • 著者名/発表者名
      森岡絵里、池田真行
    • 学会等名
      第42回北米神経科学大会
    • 発表場所
      アメリカ合衆国(ニューオーリンズ)
    • 年月日
      20121013-20121017
  • [学会発表] Cholecystokinin-2 receptor overexpression and functional compensation in the paraventricular nucleus in mice lacking cholecystokinin-1 receptors2012

    • 著者名/発表者名
      尾崎智也、Mohammad Shahid、池田真行
    • 学会等名
      第42回北米神経科学大会
    • 発表場所
      アメリカ合衆国(ニューオーリンズ)
    • 年月日
      20121013-20121017
  • [学会発表] キイロショウジョウバエ中枢時計ニューロンにおける細胞内pHリズム2012

    • 著者名/発表者名
      森岡絵里、竹田真浩、三浦伸彦、小泉惠太、東田陽博、池田真行
    • 学会等名
      第19回日本時間生物学会学術大会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      20120915-20120916
  • [学会発表] カドミウムイオンによる睡眠覚醒リズムの調節と毒性発現の分子時計依存性2012

    • 著者名/発表者名
      池田真行、海野雄哉、竹田真浩、矢本くるみ、竹内公平、片岡絢、藤澤千里、尾崎智也、森岡絵里、三浦伸彦
    • 学会等名
      第19回日本時間生物学会学術大会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      20120915-20120916
  • [学会発表] Induction of slow-wave sleep and cancelation of REM sleep by pharmacological blocking of cerebral H1 histamine receptors in rats2012

    • 著者名/発表者名
      池田真行、海野雄哉
    • 学会等名
      第37回日本睡眠学会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20120628-20120630
  • [備考] 中日メディカルサイト 時計遺伝子の動き撮影 体内時計解明に期待

    • URL

      http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20120620160951527

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公開日: 2014-07-24  

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