研究課題
本研究では平成22年度に以下のような成果を得た。(1) 運動系皮質の神経回路を解析するための解析ツールとして情報入力部位が可視化された遺伝子改変動物などを開発する研究:ER81/myrGFP-LDLRct BAC transgenic mouseを作製し、5層錐体細胞の樹状突起が可視化されたマウスを得た。また、Gensatより購入したSynaptotagmin/CreBAC transgenic mouseとレポーターマウスを交配して、6層錐体ニューロンが標識されたマウスを得ることができた。さらに、大脳皮質の3大抑制性インターニューロンの樹状突起を選択的に可視化するトランスジェニックマウスあるいはラットを作製中である(ただし、parvalbumin産生ニューロンについてはすでにマウスとラットを本研究のスタート以前に作製済みである)。(2) ウィルスによる単一ニューロン染色法と遺伝子工学を組み合わせて運動性視床核からの入力を受容する皮質ニューロンを検討する研究:開発済みのparvalbumin産生ニューロンの樹状突起・細胞体を完全可視化できるラットを用いて、当研究室で開発・応用したウィルスによる視床ニューロンのsingle neuron tracingの手法を試みた。その結果、皮質の主要な抑制性インターニューロンに視床入力が直接入力していることを形態学的に確認できた。さらに、定量的な研究を進めつつある。(3) 細胞内染色法と遺伝子工学を組み合わせて運動関連領野内での局所回路を検討する研究:次年度に実験をスタートする予定で実験装置の準備中である。(4) 運動系皮質のデザインから皮質で行われている計算理論を提案し、小脳・基底核を含めた行動制御の原理を探る研究:最終年度にある程度実行できるように努力している。
すべて 2011 2010 その他
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (10件) 備考 (1件)
European Journal of Neuroscience
巻: 33 ページ: 95-109
巻: 33 ページ: 668-677
The Journal of Neuroscience
巻: 30 ページ: 5677-5689
The Journal of Comparative Neurology
巻: 518 ページ: 3149-3168
http://www.mbs.med.kyoto-u.ac.jp/