研究課題/領域番号 |
22300118
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研究機関 | 独立行政法人国立長寿医療研究センター |
研究代表者 |
柳澤 勝彦 独立行政法人国立長寿医療研究センター, 研究所, 副所長 (10230260)
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研究分担者 |
加藤 晃一 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設), 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 教授 (20211849)
村山 繁雄 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 老年病理学研究チーム・神経病理学(ブレインバンク), 部長 (50183653)
松原 輝彦 慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (10325251)
山本 直樹 立命館大学, 薬学部, 助教 (90393157)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 蛋白質 / 痴呆 / 糖鎖 / アルツハイマー病 / アミロイドベータ蛋白質 |
研究概要 |
研究成果:本研究は、アルツハイマー病(AD)脳における中核的病理所見であるアミロイドβ蛋白質(Aβ)の凝集・蓄積の分子機構を明らかにすることを目的に、ヒト剖検脳を対象に解析を進めた。平成24年度は、剖検脳リソースの充実を図るべく、68例を高齢者ブレインバンクに登録し、全例に抗Aβ抗体免疫染色を施し、Braakステージ分類、Thal分類、apoE遺伝子多型決定等を行った。次に、脳内におけるAβ重合開始機構について、Aβと神経細胞膜との相互作用を原子間力顕微鏡にて評価することを目的に、剖検脳より調製したシナプトゾームの脂質成分を二分子膜に再構成し、原子間力顕微鏡にて膜の表面構造解析ならびに膜上でのAβの重合動態観察を行い、脳内の領域特異的なAβ蓄積と連関して再構成膜上での濃度依存的なAβ重合誘導が確認された。さらに、神経細胞膜上にあってAβ重合を誘導する責任分子であるガングリオシドとAβとの分子レベルでの相互作用について、様々なガングリオシドを組み込んだ小型の人工的脂質膜での蛋白質と糖脂質の結合特異性に関する体系的なNMR計測が実施可能であることが実証され、両者の相互作用の初期過程を捉えることに成功した。最後に、神経細胞膜上のガングリオシドに依存して形成されるAβ重合体の神経細胞毒性の特性について、平成23年度に引き続き、Aβ(Aβ42)とガングリオシド(GM1)との反応溶液中の神経細胞毒性体の解析法を検討し、神経細胞毒性を発現する分子形態を捕捉することを目的に、本毒性体を認識する特異抗体の作製へと展開した。本研究により、AD脳におけるAβ重合開始過程における神経細胞膜、特にガングリオシドの役割が分子レベルでさらに明らかとなり、神経細胞毒性誘導分子形態の実態解明へと展開が図れたことの意義は大きい。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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