研究課題
平成22年度7月より研究室を独立し、研究環境を整えるための設備投資を行った。このため、備品購入の計画を当初予定のマイクロスライサーから、浸透圧計(FISKE210)と、超純水装置(MilliQ)を購入するように変更した。小脳登上線維-プルキンエ細胞シナプスでは、生後発達期において、複数の登上線維が個々のプルキンエ細胞を支配する多重支配から、1本の登上線維のみが支配する単一支配へ移行する。この過程は神経活動依存的であり、登上線維の活動を生み出す源である、下オリーブ核の生後発達が重要な関与をしていると考えられるが、その詳細はほとんど明らかになっていない。本研究では、電気生理学、形態学の手法を駆使して、下オリーブ核神経回路の生後変化と、これによる小脳への投射線維の活動パターンの生後変化を解析する。本年度は、発達期登上線維の神経活動に伴う形態変化を可視化するため、膜透過型の蛍光指示薬(Calcein-AM)を、小脳の薄切切片に投与し、一部の登上線維を選択的に染色する方法の確立を行った。まだ条件の検討の余地はあるが、この方法で登上線維を染色することができることが分かった。今後はこの方法を用いて、シナプス可塑性誘導に伴う登上線維の形態変化の解析を行う予定である。
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Journal of Neuroscience
巻: (In press)
European Journal of Neuroscience
巻: 31 ページ: 2204-2220