研究課題/領域番号 |
22300129
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研究機関 | 関東学院大学 |
研究代表者 |
佐藤 容子 関東学院大学, 人間環境学部, 教授 (70251501)
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キーワード | 膜電位感受性色素 / イメージング / 神経系 / 鶏胚 / 細胞 |
研究概要 |
ニューロン電位活動の光学的測定法は、膜電位感受性色素で標本を染色し、膜電位変化に応じてその色素が示す吸光や蛍光の変化を光学的に計測するものである。組織標本で活動電位やシナプス後電位などの速い時間経過の電位変化を測定する際には、通常fast-response dyeと呼ばれる膜電位感受性色素が用いられるが、この色素は、シグナルが背景光の10^<-4>~10^<-3>程度と非常に小さく、single cellレベルでの応答を加算なしに検出するのはほとんど不可能であった。本研究は、新しいoxonol系色素を用いた細胞膜電位イメージング法を開発し、ニューロン電位活動の光学的計測法と中枢神経系の機能的システム解析に新機軸をもたらすことを目的とする。 本年度は、色素のスクリーニングのための分離細胞培養系の確立を行った。ふ卵8-9日の鶏胚脳幹組織片をCMF Hanks液中にて細断した後、0.5%trypsinと0.005%DNaseを添加し、37℃・30minincubationを行った。CMF Hanksで洗浄後、10%horse serumを添加し、マイクロピペットによるgentle cell dissociationと遠心分離(100xg)を3クール繰り返した後、Ringer液中に浮遊させた。Poly-D-リジンでコートしたカバーガラス上にcell solutionを1drop滴下し、37℃で1時間おいた後、色素で染色することとした。 分離細胞培養系の確立と並行して、膜電位感受性色素の開発に携わっているL.Loew博士(米国)とdiscussionを行い、新規蛍光色素の供与を含む共同研究体制の確立を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究は、申請書に記載されたスケジュールに沿って順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
イメージングデバイスの購入後、ソフトウェアのバージョンアップがあり、装置の稼働が一時中断したが、平成24年度には実際の測定に入れる予定である。平成23年度中にL.Loew博士と直接discussionを行えたことは、予想外の成果であり、今後の研究の推進に大きく貢献するものと考えられる。
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