研究課題/領域番号 |
22300130
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
栗原 敏 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (90057026)
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研究分担者 |
本郷 賢一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (00256447)
佐々木 博之 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (60170693)
小武海 公明 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60360145)
草刈 洋一郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (80338889)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 拡張型心筋症 / 細胞内Ca / 線維化 / RAA系 |
研究概要 |
本研究では、拡張型心筋症モデルマウスの心筋を用いて、心不全に至る形態的変化と機能的変化の分子機構を明らかにすることを目的とした。特にレニン-アンギオテンシン-アルドステロン系(RAA系)に注目して、拡張型心筋症に対する延命効果について検討した。これまでに、アンギオテンシンII受容体阻害薬(angiotensin II receptor blocker, ARB)と直接レニン阻害剤(DRI)の投与により、モデルマウスの致死率が著しく改善することを明らかにしてきた。ARB投与群とDRI投与群それぞれで非投与群と比較したところ、心エコーによる機能評価で心収縮力の増大ならびに心拡大の著明な抑制を認めた。また、両投与群ともに心筋線維化の著明な抑制が認められた。本モデルマウスではCa2+感受性低下が明らかであるが、ARB投与群におけるスキンド標本での収縮蛋白系Ca2+感受性測定では、Ca2+感受性そのものの改善効果は認められなかった。生筋標本での細胞内Ca2+トランジェント測定において、ARB投与群は細胞内Ca2+トランジェントの増加が認められ、それに伴う張力増強も認められた。このことはARB投与での致死率改善効果は線維化抑制だけではなく、細胞内Ca2+調節を介した収縮力代償機構が致死率減少に寄与していることを示唆している。DRI投与群に対しても収縮蛋白系Ca2+感受性について検討したところ、DRI投与でも明らかなCa2+感受性改善効果は認められなかった。これらの結果から、RAA系の抑制は拡張型心筋症に対して、(1)線維化抑制効果、(2)Ca2+感受性非依存性の収縮力増強効果、の2点から成立して延命効果を果たしている可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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