研究課題
小脳顆粒細胞の機能をin vivoで明らかにするために、理化学研究所Thomas Knopfel博士より、小脳顆粒細胞特異的にGCaMP2というCaセンサー蛋白を発現させた遺伝子操作マウスの供与を受けた。このマウスはalbinoマウスであったので、C57B6マウスと交配させ、pigmentedのhomoマウスを作成した。このマウスを用いて、反射性眼球運動の一種である前庭眼反射(VOR)、視運動性眼球運動(OKR)の測定と同時に顕微内視鏡を用いた顆粒細胞の活動の観察を開始しているところである。記録部位は水平方向の反射性眼球運動に関与する小脳片葉H-zoneで、この記録同定は現在光学記録に用いている顕微内視鏡先端部からの通電刺激に対して、同側の眼球がnaso-temporal「鼻から耳の方向」へ動くことで行っている。GCaMP2は神経の興奮による蛍光上昇は大きいが、ベースの蛍光強度はあまり高くない。このため、顕微内視鏡からの画像のみでは記録部位の同定が困難であるので、現在syto64などB励起蛍光とoverlapの少ない赤色蛍光による各種細胞の染色を同時に試みている。また同時に細胞特異的なラベリングを目指して、アデノ随伴ウィルス(AAV)により特定のプロモータを持つ細胞だけをラベルする方法も同時並行的に行い、結果を調べているところである。今後、上記の様な方法によるこの赤色蛍光の信号よりmoving artifactのチェックを行った上で、前庭刺激、視刺激に対する顆粒細胞の活動の時空間的パターンを明らかにしていきたい。
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Neuron
巻: 66 ページ: 896-907
J Neurosci.
巻: 30 ページ: 5677-5689