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2012 年度 実績報告書

顕微内視鏡を使った小脳顆粒細胞層のIn VIVOでの情報処理の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22300136
研究機関公益財団法人大阪バイオサイエンス研究所

研究代表者

船曳 和雄  公益財団法人大阪バイオサイエンス研究所, その他部局等, 研究副部長 (00301234)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2014-03-31
キーワードin vivo imaging / 小脳顆粒細胞 / 神経計算機構 / Ca イメージング
研究概要

小脳顆粒細胞の機能をin vivoで明らかにするために、理化学研究所 Thomas Knopfel博士より、小脳顆粒細胞特異的にGCaMP2というCaセンサー蛋白を発現させた遺伝子操作マウスの供与を受けた。このマウスはalbinoマウスであったので、C57B6マウスと交配させ、pigmented のhomoマウスを作成した。このマウスを用いて、反射性眼球運動の一種である前庭眼反射(VOR)、視運動性眼球運動(OKR)の測定と同時に顕微内視鏡を用いた顆粒細胞の活動の観察を開始した。並行して行った顆粒細胞からの可逆的シナプス伝達阻害マウスでの眼球運動解析で、顆粒細胞ープルキンエ細胞のシナプス伝達阻害により定速度OKRの反応とOKRの適応性変化に影響がみられた。このため顕微内視鏡での顆粒細胞の反応もこれら眼球運動にfocusして観察した。記録部位は水平方向の反射性眼球運動に関与する小脳片葉 H-zoneで、この記録同定は現在光学記録に用いている顕微内視鏡先端部からの通電刺激に対して、同側の眼球がnaso-temporal「鼻から耳の方向」へ動くことで行っている。一定速度OKR刺激に対しては、Ca signalのゆっくりとした上昇が観察される例が散見され、これはおもに分子層、すなわち顆粒細胞軸索で起こっている現象と思われた。さらにこのCa蓄積は右小脳ではスクリーンを時計回りに回転させた時のみに生じる方向依存性が見られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

in vivoで、顆粒細胞特異的にCa信号が観察できるマウスを使って、生理刺激・電気刺激に対する反応が観察されてきているので、新規性の高いデータが出つつあるから。

今後の研究の推進方策

今後、OKRの適応性変化時におこる顆粒細胞での反応変化を観察することで、小脳皮質での学習・記憶の神経機構を明らかにしていきたい。現在問題となっているのは、観察している行動に関与している神経回路をちゃんと観察できているかというところであるが、これに関しては、マウスの数が十分に確保されているので、実験の回数を増やすことで、対応していきたい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Spatio-temporal control of neural activity in vivo using fluorescence microendoscopy.2012

    • 著者名/発表者名
      Hayashi Y, Tagawa Y, Yawata S, Nakanishi S, Funabiki K.
    • 雑誌名

      Eur J Neurosci.

      巻: 36 ページ: 2722-32

    • DOI

      10.1111/j.1460-9568.2012.08191

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Signal-to-noise ratio in the membrane potential of the owl's auditory coincidence detectors.2012

    • 著者名/発表者名
      Ashida G, Funabiki K, Kuokkanen PT, Kempter R, Carr CE.
    • 雑誌名

      J Neurophysiol.

      巻: 108 ページ: 2837-45

    • DOI

      10.1152/jn.00366.2012

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Benign paroxysmal positional vertigo and head position during sleep.2012

    • 著者名/発表者名
      Shigeno K, Ogita H, Funabiki K.
    • 雑誌名

      J Vestib Res.

      巻: 22 ページ: 197-203

    • DOI

      10.3233/VES-2012-0457

    • 査読あり

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公開日: 2014-07-24  

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