研究概要 |
24年度は、公平性の評価における皮質下領域と大脳皮質の機能差を調べるためにprosocialとindiviudalistの被験者に最終提案ゲームを行って貰いその時に得たfMRIデータの解析を行った。その結果、prosocialが不公平な提案を拒否する時には扁桃体から側坐核への情報の流れが重要であることがあきらかとなった。一方で、prosocial、individualist共通に不公平に反応する脳部位としては島皮質、背外側前頭前野、帯状回皮質が得られた。このことから、結果の公平性を直観的に求める扁桃体-側坐核の機能と、不平等に対して熟慮的に判断する大脳皮質の役割の違いが明らかになった。現在、この結果は論文投稿中である。 さらに、意思決定における扁桃体から側坐核への情報の流れについて調べるため、cue-reward associationの学習において、cueの提示前に恐怖表情の顔と中立表情の顔を提示して学習速度に影響を与えるかを検討した。その結果、恐怖表情を出したときには学習率が上昇するこで学習速度が上昇し、fMRI解析から、扁桃体が側坐核に作用し、報酬予測誤差信号が拡大されていることが示唆された。この結果は、Journal of Neuroscience誌に掲載された。 Reward Prediction Error Signal Enhanced by Striatum–Amygdala Interaction Explains the Acceleration of Probabilistic Reward Learning by Emotion N Watanabe, M Sakagami, M Haruno. The Journal of Neuroscience 33 (10), 4487-4493 (2013).
|