研究課題
(1)神経系特異的なβ4GalT-5欠損マウスとβ4GalT-6欠損マウスの解析β4GalT-5floxマウスとNestin-Creマウスを交配してB6背景の神経系特異的なβ4GalT-5欠損マウスを作製し,β4GalT-6欠損マウスは名大の古川先生より分与していただいた。2つのβ4GalTはLacCer合成酵素活性を担うと思われたので,脳抽出液中のLacCer合成酵素活性を測定したところ(九大の伊東先生に依頼),野生型の脳と比較して,それぞれの脳では活性が約半分に減少しており,どちらもLacCer合成酵素活性を持つことが明らかとなった。次にテストバッテリー方式の行動実験を実施したところ,両マウスともホームケージ活動量の顕著な低下が見られたが,オープンフィールドテストではβ4GalT-5欠損マウスでは高活動性,β4GalT-6欠損マウスでは低活動性と異なる結果が得られた。また,プレパルス抑制テストでの注意機能の障害はβ4GalT-5欠損マウスにのみ観察された。一方,β4GalT-5欠損マウスでは大脳皮質でのMBP,β4GalT-6欠損マウスでは延髄でのPLPの発現上昇が見られ,ミエリン形成に何らかの異常が示唆された。(2)C6ST-1 Tgマウスの解析コンドロイチン硫酸鎖の6位に硫酸基を転移するC6ST-1を過剰発現するTgマウスを神戸薬大の北川先生から分与していただき,テストバッテリー方式の行動実験を行った。このマウスは臨界期を過ぎても眼優位性の可塑性が維持されることが北川らにより報告されている。オープンフィールドテスト,明暗箱,プレパルス抑制テストの結果から,新奇環境に過剰に反応する性質があり,ドーパミン受容体の発現上昇が見られたので,ドーパミン系の異常が示唆された。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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